日本大好きじいさんの落書き帳

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自立国家の建設 011

 ◆ 目次ページに戻る

工作員 村上優子

八月三十一日の昼前、神宮前の事務所の車寄せに今しも滑り込んで来た一台の高級車があった。

日盛りの中、その車からは特徴有る女が一人颯爽と降り立ったのである。

前以て、この日が出発日と知らされていた村上優子その人なのだ。

先日、政府与党の大物吉崎大二郎の紹介で、秋津州国王に引き合わせてもらう約束を取り付けて以来の二度目の訪問であった。

無論今回の任務も、女としての武器を最大限に活かすべきものであることは確かで、またそのためにこそ自分が選ばれたのであり、任務遂行に当たっては当然それなりの自負も有る。

兎に角これまでの任務においては、ターゲットが自分より年下のケースなど一度として無く、年下どころか、その全てが下腹にみっしりと脂肪の付いた中高年のものばかりで、個人的に好ましいと感じる相手などには未だかって出会ったことが無い。

ところが、今回ばかりは年下だと言う。

それも、八歳も年下の生気溢れる十八歳だ。

先月大きな話題を呼んだ、米軍ヘリ救助の際の映像は何度も見た。

そのシーンで見るその裸体は、贅肉のかけらも無く引き締まり、まるでアポロの彫像を見るかのようであったのだ。

無論、相手にとって不足は無い。

身の内には凛々たる闘志が溢れ、えも言われぬ悦びが湧き上がって来るのを抑えかねている。

車から降り立った戦士は、背筋を伸ばすようにして赤坂方面の空を見上げた。

高層ビルの谷間からは白い雲が今もゆったりとした姿を見せており、未だ強かな日差しも秋の到来の遠からざることを告げている。

深呼吸を一つ、そしてゆったりと息を吐いてから、正面玄関に向かって歩き出した。

見事に張った腰のくびれと豊かな胸をことさらに強調した衣装を身に着け、透けるような白い肌とぬめりとした唇がまことに肉感的で、すれ違う男の大多数が振り返ってくれるという自信に溢れている。

建物に入ると、意外なことに一階のオフィスだけで即座に出国手続きが完了し、一息入れるゆとりさえ与えられたのである。

程なく予定の時刻に至り、秋元社長に伴われて裏手に出ると、そこには見たことも無い不思議なものが鎮座していた。

それは小型のワゴン車ほどのサイズの漆黒の箱であり、車輪も窓も無く滑らかな角(かど)を持ち音も無くひっそりと静まっている。

鈍く光る側面に、秋津州の国旗と国名が鮮やかに浮かび上がるのを目に焼き付けながら近づいていくと、その側面と上部の半ばがガルウィングのように開き、中は前のほうが四つの座席シート、後部の半ばほどが荷物用のスペースになっているようだ。

その荷物室には、先ほどの出国手続きの際、係官に引き渡した手荷物が既にずっしりと積み込まれていた。

秋元社長に続いて前の席に乗り込み三点式のシートベルトを掛けると、するするっとガルウィングが閉じる。

「これって、何ですの?」

思わず聞いてしまったのである。

「ポッドって呼んでるわ。」

「えっ?」

「お豆のさや、単なる容器って意味よ。」

その「豆のさや」の中は、柔らかな灯りに包まれるような感じで、文庫本ぐらいは充分読めそうな明るさなのだ。

しかし窓が無いため、当然、外は見えない上、不思議なことにハンドルはおろか計器類すら見当たらない。

目の前は全く凹凸のない黒い平面であり、まわりを見渡しても同じようなもので、まるでそこは黒い密室であった。

こんなところに、一人で閉じ込められたら嫌だろなあ、などと考えていると、隣の座席から無造作に声が掛かった。

「じゃ、いいわね?」

「はいっ。」

しかし、こんなハンドルも車輪もない箱に入って一体どうする気なんだろう。

上空からヘリか何かで吊り上げて、他の航空機にでも乗り継ぎするのかしら、などと、まるで子供のような想像が頭の中を駆け巡る。

こつんっ。

かすかに座席の下に、何かが当たったような気がした。

あれっと思った途端、さっき閉じたばかりのガルウィングが再び開き、一瞬あわて気味に見回すと、そこはビデオ画面で散々に見慣れた内務省前の芝生の上であった。

ついさっき、この妙な乗り物に乗り込んでベルトを締めてから、優子の感覚としてはほんの数秒でしか無いのである。

これが現実なら、二千キロ近くもの距離を一瞬で移動してきたことになる。

それにしても、移動する気配どころか、上下動の気配さえ全く感じなかったのだ。

前回秋元社長に頼みに来たときに耳にした、「例の便」とはこのことだったのか。

頭の中が一瞬真っ白になってしまって、まるで整理がつかない。

呆然としている間に、ダークスーツの男たちが会釈をして、二人がかりで荷物を降ろし、そのまま内務省の入り口に向かうようだ。

終始無言である。

「はいっ、行きましょ。足元気をつけて。」

秋元社長に声を掛けられて、夢から覚めたように慌てて降りると、足元の芝生に細い踵がずぶりと入った。

意識して履いて来た背の高いピンヒールが、わずか数メートルの芝生の歩行の邪魔をする。

見上げると、秋津州の空はどこまでも真っ青に広がって、気温だけは高そうであったが、意外なほど清々しい空気を思い切り吸い込んでみる。

北西の方角に僅かに見えたのは、事前に受けたレクチャー通り味方のこもる山岳地帯の峰々かと思われた。

目の前の正面が平屋建てのまことに小ぢんまりとした内務省で、その右手が国民議会の議事堂、そしてその裏側には巨大な倉庫らしきものの屋根が見えている。

その又右側にはNBSの広大な用地が広がっている筈だが、議事堂と巨大な倉庫の陰になってここからは見えそうにない。

うしろ側には、見渡す限りのグラウンドがそれこそ際限も無く広がっていて、その東端が新たに設けられたヘリポートになっていると聞いた。

素早く観察しながら、前に少し遅れ気味について行く。

内務省の中では日本語でサインを求められ、そのあと小さなゲートをくぐらされただけで、又あっさりと入国の手続きが完了したものらしい。

先ほどまでの緊張感が、何かしら無駄なものであったようにさえ思え、一気に全身の力が抜けて行くような気がする。

結局、さして広くも無いその建物を通り抜けたことになり、その裏口から出た先は屋根付きの回廊が続き、その途中で、荷物を運んでくれた二人組が軽く会釈をしながらすれ違って行った。

その回廊は、五人ほどがゆったりと並んで歩けるくらいの舗装幅を持ち、内務省の建物とは直角に百メートルほども真っすぐに伸びて行き、その突き当たりでTの字に分かれ、そのまた先がそれぞれ真新しい二棟の正面玄関になっているようだ。

また、その二棟は幾分背の高い二階建ての外観を持ち、正面玄関はどうやら二重のガラスドアのようであり、先ほどの内務省と呼ばれる古ぼけた建物とは、比べようも無いほどに近代的な何ごとかを感じさせてくれるのである。

まして玄関の左右も又大きなガラス張りになっており、一階のフロア内部が大きく視界に入って来るほどなのだ。

それら純白の建物同士がそっくりの外見を見せながら、十メートルほどの間隔を空けて真横に並んで静まっているのである。

先にたつ秋元社長は突き当たってから右に折れ、重厚な造りの玄関に向かう。

彼女の説明によれば、この二棟もやはりつい最近建てられたものらしく、これもまたつい最近、国内三ケ村からの推薦によって、競って送り込まれて来た王の侍女たちが住まいしていると言うが、国王自身は未だ一度も訪れたことが無いのだと言う。

解釈によっては、いわゆる後宮であると看做したところであながち間違いでは無いだろうし、そう言う意味合いを持つスペースが宛がわれようとしている事実は、自らの任務にとっても無論大きな意味を持つに違いない。

頭の中をさまざまの想念が駆け巡り、更なる闘志をかき立てながら二重になった自動ドアから入って行くと、二百平方メートルほどもあるロビーは、内務省と同様快適にエアコンが効いていた。

その左右それぞれに六人ほどが寛げる席が見え、大型の自動販売機が数台づつ並んでいる。

ロビー奥の右側には半円形の受付けカウンターが備わり、その内側の若い女性が二人して立ち上がって丁重な会釈を送って来た。

そこで受け取った磁気カードを使って二階のひと部屋に入ると、思ったとおり既に荷物が届いていたのである。

一渡り見てまわると、居間、寝室、キッチン、洋式トイレ、ゆったりとしたバスルームというように、一通り独立した生活空間が構成されており、百二十平方メートルほどの空間に基本的な家具調度類が過不足無く配置されていた。

冷蔵庫、炊飯器、レンジ、IHヒーターとそれにあわせた調理器具等などまったく至れり尽くせりで、洗濯機や掃除機まで全て揃っているありさまで、一部の家電製品を見てみたが、予想に反して全て日本製のようであった。

寝室と居間、それにキッチンにもそれぞれ壁掛けのインターフォンが付いていて、それを使って先ほどの受付係りと通話するのだと言う。

秋元女史の説明も実に懇切丁寧なもので、水道水は充分飲用に適している上に、ロビーの自動販売機のようなボックスで磁気カードを使えば、ペットボトル入りの飲料水その他が無料で入手可能であることを知ったが、ベッドメークや掃除は自らすべきことなどに至っては、もともとNBSの宿舎にもぐりこむか、最悪野宿になることすら覚悟していたことでもあり、それに比べれば望外のことであったのだ。

又、滞在中、本人が希望しない限り係員の入室は無いものの、地元自警団の承認があった場合はその限りではなく、入国した外国人の犯罪性の認定もその自警団自身が行うことや、その場合の犯罪性の認定基準は、全て秋津州の「慣習法」に拠るものであり、この「慣習法」の原点は、全て「世間さまに迷惑をかけない」ことが基本となっており、この場合の「世間さま」とは要は秋津州の「公益」のことであるらしい。

盗み、殺人暴行障害、痴漢行為、強姦、保護すべき年少者の保護を怠った場合、重大な過失による失火などは当然犯罪行為とみなされ、例えば山間部へ火の気を持ち込み、山火事を起こしてしまえば重罪となってしまう。

ごく普通の食材については既に搬入されている筈だが、点検してみて不足のものがあれば、その補給も一階の受付に申し出れば無償で提供される代わり、手持ちのカードなどは勿論、日本円も一切通用せず、現地通貨との交換も受け付けられないことや、帰国時の希望については、前もって三日ほど前までに受付に申し出ることなどなど、相当なレクチャーを終えてから秋元社長はにこやかに去って行った。

どうやら自分は秋元社長の友人として至れり尽くせりの待遇で、この特別な部屋を提供されたことだけは間違いないらしく、あとは多忙な国王との接見のチャンスを待つばかりなのである。

そしてそのチャンスは、その日の夜、まことにあっけなく実現することになる。

荷造りを解き、大型の冷蔵庫にかなりの在庫があるのを確認して、遅い昼食を用意している時に早くもその報せが入ったのである。

時間はたっぷりある。

勇んで入浴を済ませてから、入念に化粧をする。

下着は、シルクのような光沢のある純白のものを自信をもって選び、一度は履いたストッキングも思い直して脱ぎ捨てた。

動きによって胸元が大きく開く純白のブラウスに、うしろに深いスリットを入れた膝下までの濃紺のタイトスカートを身に付け、腰のくびれを見事に強調した姿を鏡で確認する。

殊にタイトスカートなどは、わざわざ選んで伸縮性に富んだ生地で仕立てさせたもので、ぴっちりと腰廻りを包み込み、二つの肉塊をより一層魅惑的に際立たせてくれる筈だ。

戦士としての完全武装に心を配り、長身の相手に配慮して選んだ背の高いピンヒールを、小気味良く響かせながら内務省に入った。

優子にとって、ここは戦場なのである。

京子によっていざなわれた王の執務室は、僅か二十平方メートルほどの広さしか無く、奥に向かって不自然なほどに細長い造りであった。

正面の奥に、さして大きくも無い執務机、手前に七人掛けほどの応接セットとワゴンが一台だけと言う実に簡素な配置で、せいぜい目に付くのは、エアダクトの少し大き目の噴出し口があるだけで、そのほか一切の装飾も窓も無くまことにあっさりとしたものなのだ。

電灯らしきものは見当たらないにも拘わらず、不思議なことに部屋の光量は充分で、その光源に際立った特徴があり、宛がわれた個室と同様に天井の広い範囲が満遍なく光を発していて、それを壁の上方で反射させているようにも思える。

少しだけ奥に入った右手には隣室に続くドアがあり、そこが王の休憩室兼寝室であることは、過去に取材を許されたカメラが充分に伝えてくれていた。

今しも正面の執務机から立ち上がったその人は、意外にも迷彩色の軍装を着けており、予備知識の中のそれよりもなお一層の長身だった。

初めて見るその獲物は、全身から精悍な生気をさえ放射して来る。

まして、八歳も年下なのだ。

場数を踏んだ猟師には山野を駆け巡る若鹿のように思え、それはそれで、一個の男性として見る限り最も好ましいものだったに違いない。

若鹿はゆったりと歩み寄り、日焼けした彫りの深い顔に柔らかな笑みを湛えながら右手を差し出してくる。

「秋津州へようこそ。」

思ったよりはるかに野太い声がずしりと響いた。

鹿と言うより獅子の声である。

「あの、お会いできて光栄でございます。」

若獅子は笑顔でソファを勧める。

「秋津州はいかがですか?」

濃い眉の下の涼やかな目が殊に好ましく感じられ、我にも無くどぎまぎしてしまった。

「あこがれの陛下にお会いできただけで、もうとても感激でございますわ。」

今更ながら、どこまでが社交辞令なのか自分でも自信が無い。

「それはそれは・・・。」

「あたくし、夢の中でなら毎日お会いしておりますわ。」

「・・・。」

若獅子の顔が無言のままほころび、秋元社長が手慣れた仕草でワゴンを運んで来た。

「夢の中の陛下よりも、ずっと素敵でいらっしゃいますわ。」

実際、今目の前に見る獲物は凛とした挙措と実に男らしい風貌を具えており、この出会いが任務としてのものであることを恨めしくさえ感じるほどだったのである。

「ありがとう。あなたもとても素敵ですよ。」

「まあ、お上手でございますこと。」

「いやいや、本当です。」

「うれしいっ。」

向かいの席から、切なそうに眉を寄せ、胸の前で両手を合わせながら身悶えまでしてみせる。

胸乳がかすかに揺れて、少し緩んだ胸元で豊潤な谷間が大きく息づく。

初対面の一国の元首に対する態度とはとても思えない。

そのとき、二人の前にセットした酒器を満たした京子が

「あの、わたくしは失礼させていただいてよろしゅうございますか?」

「うむ。ご苦労でした。」

「はい。優子さんは不安でしたら、お帰りは陛下にお送り願えばよろしゅうございますわよね。」

優子にとっては、素晴らしい援護射撃であった。

「はいっ。ほんとにいろいろ有難うございました。」

腰周りにぴっちりと吸い付く生地越しに、鮮やかに浮き上がる二つの肉隗が男の視線を捉えることを充分に意識しながら、京子に向かって深々と腰をかがめて見せた。

マナー違反は百も承知だ。

健全な若い男性が目の前でこれを見せ付けられれば、アドレナリンの分泌を高めることは先ず間違いあるまい。

一つには、先ほどの秋元女史の強力な援護がある。

この女史については、その裏表の顔についても当然事前のレクチャーを受けてきた。

その表の顔は、日本の優良企業のオーナー社長としての誰もが知っている顔なのだが、問題はその裏の顔であったろう。

その裏の顔について言えば、先ず第一に、主要各国と秋津州との間に入って外交面における仲介をしている上に、秋津州の国策決定にも大きく影響力を行使していると思われることであり、さらに有り得べきことか、主要各国の多くが女史とそのメンバーに対しては、外交官特権に近いものまで付与している気配なのだ。

殊に日本に至っては女史を神宮前に抱え込み、まるで秋津州の全権大使ででもあるかのように取り扱い、腫れ物にでも触るような気の遣いようを見せていると言う。

実際にこの女史が外交的にも相当な部分を専断していることは確かで、現に、自分を国王に引き合わせる件にしても、あの時自分の目の前で即断していたくらいだ。

とにかく、あたかも秋津州の女王の如き権力を誇っており、その女王が自分をひどくお気に召したものらしく、どうやら国王への接近をフォローしてくれる気でいるらしい。

それも、こうもあっさりと二人きりにさせてくれるこの特別な扱いから見ても、かなり積極的なフォローが期待出来そうなのだ。

言わば、百万の援軍を得たようなもので、こうとなれば初対面と言えど躊躇する必要はあるまい。

ただただ、速攻あるのみと言うことになる。

結果として、こちらの正体は全く疑われることもなく、言わば敵方から好意溢れる接遇を受けているのだ。

要するに今回の敵は今までのそれと違って、全く甘い相手だと言うことになる。

本来必要な緊張感や警戒心を、既にかなり和らげてしまっている自分を今更咎める気にはなれないのである。

「それでは、失礼させていただきます。」

女王は、しとやかに退室していった。

ほのかな大人の女性の残り香だけが微かに残り、あとは文字通りの二人きりの世界だ。

若者は酒盃をとりあげ

「乾杯しましょう。」

「はい。」

「では。」

向き合って座った男の酒器に酌をする時には、さりげなく胸元が緩み、しっとりと脂を浮かべた深い谷間が覗き、見事な膨らみの一部がいやでも男の目を射る。

優子の軽いジョークに、若者も徐々に打ち解けていくようだ。

「ご滞在をご希望のようですな?」

「はい、ぜひお許しを頂きたいのです。」

「それはそれは、私も楽しみです。」

「えっ、お許しいただけますの?」

「勿論です。」

「ありがとうございます。これで、もっともっとお会いできますわ。」

重ねた盃にほんのりと瞼を染めた女の体はすっかり緩み崩れて、熟れた色香がむらむらっと匂いたち、自分でもどこまでが演技なのか今では自信が無くなってきていた。

そのうちに、用意されたほんの形ばかりのつまみが無くなってしまい、少年がそれを取りに隣室に立ったときには、もつれ合うようにしてついて行き、一緒になって冷蔵庫を漁るまでに打ち解け、戻ったときには、男の左隣に寄り添うようにして座ってしまっていた。

もうそれからは、半ば上体を投げかけるようにして寄りかかり、さり気なく男の膝や手に触れて見せながらその反応を確かめ、少なくとも若者が拒んではいないことだけは確信を得たのである。

戦士の攻勢は、ますます激しさを増すばかりだ。

切なげに身を揉みながら、今までどんなに強く憧れ、胸を焦がし続けてきたかを繰り返し掻き口説いてみせるのだが、それでもなお、少年の泰然とした姿勢は少しの乱れも見せず、それが悔しくも恨めしい。

「はあっ、あたくし酔っちゃったのかしら。」

大きく吐息をつき、さも切なそうにわずかに胸を寛げて見せた。

こぼれんばかりの胸乳の下半分を覆っていた純白の下着が、指先で僅かにずり下げられただけだったが、そのあと上体を少し動かしたときの効果は頗る大きかった。

もともとそのような意図を以て誂えた下着のことでもあり、乳房の先端の突起が僅かに顔を覗かせたのである。

少年の視線が、明らかにそれを捉えている。

意外なことに少しの戸惑いも見せず、ごく自然な態度で見つめている。

獲物が確実に射程に入って来ただけでなく、最も好ましい若い男を惹きつけて、その男に今、それを見られていると意識した途端思わず反応してしまった。

突起が硬く屹立して、止めどなく敏感になってしまっている。

わずかな身動きで、燃える突起に下着の端が触れてそこから電流が走った。

「はあっ。」

今度の吐息は、決して演技ではなかったのだ。

少年は、すぐ間近から屹立した乳首を飽かずに見つめている。

相変わらず酒盃を手にしたまま、ただ見つめているだけなのだ。

早くう、お願い、早くうう。

心が叫び出している。

そのとき、少年が大きく吐いた息が、とてつもなく敏感になった乳首にわずかにかかった。

「くっ。」

たったそれだけのことで、限りなく意識の集中したその部分が悲鳴を上げる。

待ちきれず、強引に男の酒盃を取り上げてテーブルに置き、その左腕をとって自分の肩に廻すよう誘導し、そして再び右肩から体を預けて行く。

我ながら吐く息が火のようだ。

その点、少年はまことに従順で、八歳も年長の女の為すがままなのである。

そこまでしても、未だ見ているだけなのだ。

早くう、その右手を伸ばして来てえ。

心の叫びを表に出してしまいたいと思いながら、本能的に身を捩ったとき、白い乳房の大部分があらわになった。

「ふーむ、初めて見た。」

少年が、ぽつりと言った。

この逞しい若者は、なんと未だ女の肌を知らなかったと言うのだ。

歳相応に純真なのだ。

それで、こんなにじれったいほどに臆病なのだろう。

硬く屹立した先端に、怖いほどに意識が集中してひりひりと燃えるようだ。

今度は少し顔を近づけ、じっと見ている。

もう、待ちきれない。

早くうう。

男が、未だ少年と呼んで良い年頃であることに改めて思い至り、胸の中に急速に満ちてきた火のようなかたまりが、淑女の仮面を一瞬にしてかなぐり捨てさせてしまった。

「お願いっ、早くっ。」

遂に、ほとばしるように口に出してしまったのだ。

一旦口に出してしまったことが、より強い興奮を呼び起こし、左手で豊かな乳房を揺すり上げるようにして男を誘う。

「はあっ。」

切なげな吐息とともに、むせ返る様な脂粉の香が濃厚に群がり立ち、目まいのするような興奮を感じたとき、やっと男の右手が伸びてきて、ひりひりに勃起した突起をつまんでくれたのである。

「はうっ。」

焦れに焦れて、待ち焦がれたその指先が与えてくれた快感は、女体を突き抜けるようにして走り、宛がっていた自分の手にも思わず力が入った。

男の指先で乳首が軽く転がる。

「はああああっ。」

そしてもう一方の突起に移動した指先は、ほんの微かにその先端を突く。

「ひぃっ。」

そして、今度は微妙な軽さで刷いた。

「はうっ。」

堪らず、女の左手が乱暴に揉みしだき、真っ白な乳房が真っ赤なマニキュアの手の中で踊る。

豊かな腰がうねり、そこは熱くうずき、燃えたぎるものが溢れ出てしまった。

「くううううっ。」

同時に右の突起を強く揉み込まれて、自らも左手の動きを早め、乱暴に揉みしだく。

堪らず腰を捩り、内腿をこすり合わせながら、唇を噛み締めた。

男の腰を掴んだ右手に力をこめて、豊満な腰をわなわなと震わせながら、左手の動きを強める。

「うぐうううううっ。」

戦士は獣のような呻きをあげて、一気に登りつめてしまっていた。

それまで激しく乳房を揉みしだいていた左手が静まり、必死に男の腰を掴みしめていた右手の力が抜け落ちていく。

一瞬の静寂の後、小さな声で

「恥ずかしいっ。」

と、言いながら、まるで乙女のように男の左肩に顔を埋めて行った。

「こんなの・・・。」

まことにか細い声である。

自分で自分が信じられない。

こんなの初めてだ。

未だ、腰の辺りがとろけるように痺れている。

優しく背中を撫でてくれている男の手から、有り得ない筈の愛情をさえ感じることが出来て、この憎い男を必ず自分のものにしなければと改めて思い極めたとき、わずかに気配が動き、見れば憎い男が悠然と酒盃を手にしている。

その姿を見ているうちに、勃然と闘志が甦ってきて、素早く身じまいを直し、自らも酒盃をとって残りを飲み干した。

戦士は、かろうじて頽勢を立て直したのである。

「あの、わたくし、陛下のお好みを存じ上げませんでしたので、色んなお酒をご用意させていただきましたの。」

そんな筈はないだろう。

肝心のターゲットの好みなぞ、存分に報道されていた筈なのだ。

「ほお、それはそれは。」

「さきほど冷蔵庫に入れましたので、そろそろ冷えてるころですわ。」

「それは、ありがたい。」

男は、心底嬉しそうな顔をして見せるのである。

「ご検分いただけますか?」

思い切り甘えた口調だ。

「うむ。」

気の早い少年は、立ち上がって隣室へ歩む。

ちらりと見たその股間には、若い獣が漲っているようにも感じられ、またまた淫らな疼きが甦って来てしまった。

隣室の男の視線を気にしながら、素早くイヤリングを外し、下半身で生暖かく湿ったままの小さな布地も剥ぎ取って急いでバッグにしまい込んだ。

出掛けに一度着けたストッキングを、わざわざ脱ぎ捨てておいたのは我ながら素晴らしい判断であった。

獲物を追って隣室に入ってみると、男は今悠々と上着を解き実に逞しい背中を見せながら、クローゼットの浴衣を取り袖を通そうとしているところだ。

急いでその足元にかがみ込み、頑丈な造りの靴を脱がせてやりながら、何かしら胸が弾んで来てそれが妙に腹立たしい。

執務室を出て部屋に向かう短い道のりのあいだにも、幾度も身を寄せていきながら、腰の疼きはもう耐え難いほどに高まってきていたのである。


例の重厚な自動ドアからロビーに入り、二人の受付嬢が立ち上がって深々と腰を折るのを尻目に、これ見よがしに男の腰に擦り寄り纏わりついて甘えて見せる。

これで、明日の朝にはいやでも噂が広まり、特別な存在としての自分の行動規制は著しく緩む筈だ。

明日からは、王の執務室でさえ咎められずに入れるかもしれない。

万一咎められたって、押し切って入ってしまうからいいけど。

いざとなったら、この子がきっと何とかしてくれるに違いない。

驚いたことに、この子は未だ全く女を知らないらしいのだ。

あたしが恋人の代わりにでも何にでもなってあげて、なんなら付きっ切りで毎日世話を焼いてあげたっていいんだし。

とにかくもうすぐ、この子にとって生涯初めての女になることだし、いろいろと教えてあげなくちゃいけないだろうし、などと考えているうちに又しても腰の辺りが蕩けるように甘く疼き、少年の腰に廻した腕につい力がこもってしまう。

下半身に巣くう魔物が淫らに蠢いて、あっと思ったときには、魔物の奥から湧き出たものが太股の内側をしとどに濡らしてしまっていたのである。

豊かな腰肉にぴったりと吸い付いてくる布地の下は、先ほどかなり無理な思いをして強引に剥ぎ取ってしまっていて、既に何一つ着けてはいないのだ。

もつれるようにして部屋に入ったときには、もう待ちきれず切なげに喘ぎながら、男のうなじに両手を絡めすかさず口付けを求めて行く。

いつも通りの手慣れた手順であった筈なのに、胸の鼓動が早鐘のように響いてしまった。

逞しい腕が自分の腰を抱いて唇を寄せてくる様子には余裕さえ感じられて、我にも無く胸が震える想いで自らの舌をねっとりと絡めていく。

男の舌はゆったりと、そして次には素早く女の舌に絡み愛撫して来た。

まったく慌てる様子も無く、ときには女の唇を軽く噛み、また繰り返し舌を差し入れてくる。

実に濃厚な口付けのさなかに、若々しい猛りが腹部を突き上げて来る気配を微かに感じ、その途端、自らの股間にも熱いものを感じて、思わず喉の奥で呻きながら、逞しい胸に思い切りしがみついてしまっていた。

それに応えるように男の腕にも力がこもり、絡み合った舌が再び強く吸われ、ひしゃげた乳房の先端がその刺激に悲鳴をあげる。

下着の中の乳首がとてつもなく敏感になってきていて、男の指先や舌で執拗に嬲られるシーンが頭の中を駆け抜け、息苦しさに思わず唇を放すと、すかさず男の唇が首筋に降りてきた。

既に至る所が敏感過ぎるほど敏感になってしまっている。

男の唇が首筋から耳たぶにかけて羽毛の軽さで滑り、指先がうなじから腰の辺りまで素早く走ったときには、もう耐え切れなかったのである。

「はああっ。」

切なげに腰を捩り胸を突き出すと、純白の下着から押し出されるようにして乳房が盛り上がって来る。

憎い男は、その真っ白な果実を見おろしていたが、今度こそ遠慮はしなかった。

悠々と右手を動かして、既に大きく胸元のはだかったブラウスのボタンを一つ外し、続いて下着のフロントホックを外した。

それまで押さえつけられていた見事な果実が、一気に自由を取り戻し目の前一杯に揺れる。

先端の突起は硬く屹立し、見事なまでに正面を向いている。

そのとき少年は、その澄んだ目でしげしげと見入りながらぽつりと呟いたのである。

「母の胸も、こうだったのかな?」

それは、全く意表をつく言葉であった。

「え?」

「生まれたときには、母は生きていなかったから。」

「・・・。」

そんなの、初耳だ。

それじゃこの子は、母親の乳房を全く知らないのだと思ったとき、胸の奥に不思議なものが芽生え、それは確実に、そしてひっそりとそこに棲みついてしまったに違いない。

しかし、戦士にとってここはまさしく戦場なのだ。

気を取り直し、男のうなじを優しく掻き抱き改めて優しく唇を寄せていくと、強く腰を引き寄せられ、一旦静まりかかったその高まりが再び目覚めてきているのを感じる。

大きな手のひらが腰の肉隗を無遠慮に撫で回してくると、女の中の獣も一瞬にして目覚め、激しく舌をからませていく。

じっくりと撫で回されて、堪らずわななく腰を押し出しながら、更にじんわりと押し付けていくと、腹部に当たるものがみるみる成長してくるのを感じた。

いまや、すっかり開放された乳房を摺り寄せ、蕩ける腰を男の太股に強く擦り付け、存分に味わい尽くそうとすると、大きな手の平が、淫らに蠢く柔腰を憑かれたように摩り撫で回し、そして揉み込んでくる。

息苦しさに唇を放し、うっとりと男を見上げると、相手もしっかりとした視線で受け止めてくれた。

「はああっ。」

悩ましげに眉を寄せ大きく吐息を吐くと、その上気した顔をこの上も無く淫らなものに感じたとみえ、少年の高まりがさらに大きく反応して腹部を突いてくる。

そろりと手を下ろし、浴衣の上からそっと触れた瞬間、それはびくりと脈打ったのである。

やがてそれは見事なまでの硬度を以て戦士の掌の中で脈打ち、荒々しいいななきさえ伝えて来る。

じんわりと、試すように握り込むと、男の腰がぴくっと動き、大きな両手が腰の肉隗を思い切り掴みに来た。

「くうっ。」

もう堪らなくなって、浴衣の脇から手を差し入れ掻き分けて探っていき、和風の下着の中に進んで、やっと到達することが出来たのである。

最もいとおしいものをやんわりと握り込むと、やはり、それは見事な硬度と角度を保っており、優しくゆっくりとしごいてやると、男は腰を突き出しながら、柔腰の肉隗を乱暴に掴んで来る。

「くっ。」

豊かな柔腰をひくひくと震わせ、猛々しくそそり立つものを優しく撫で摩りながら、 一方の手で帯をほどいてやると、男は自らうしろみつを解き、一気に下帯を外し、肩から浴衣をすべり落としながら雪駄を脱ぎ飛ばした。

見事な全裸を曝したのである。

すぐ目の下に、それは雄雄しい姿を現した。

重量感に溢れ、隆々と反り返り、アポロ像のような腹筋を叩かんばかりに猛り立っている。

初めて目にするその逞しさに、まるで魅入られたように一瞬見とれてしまったほどなのだ。

腰が疼き、乳首が燃えて、堪らず相手の首にむしゃぶりつき、むさぼるように口の中をまさぐり、吸いあい、鼻息を荒げて必死の思いで柔腰を擦り付けて行った。

一段と濃密な抱擁のあと、男の右手が乳房を這い、優しく揉みしだいてきた。

「はあああっ。」

左手一本で柔腰を引き寄せ、悠然と乳房を弄び、硬く屹立した突起を指先で転がすようにして悠々と愉しんでいるのである。

それは、年上女の余裕など消し飛ばしてしまうようにして続けられ、ついには男の唇に燃える突起が捉えられ、舌先が啄ばむように攻撃してきたときには、もう堪らなくなって歓びを口にしてしまったのだ。

「あっ、いいっ。」

若い塊はいよいよその猛々しさを増し、実に力強く脈打ちながら絶え間なく下腹を圧迫して来ている。

必死の思いで背伸びをして、その場所に近づけようと切なげに腰を捩るのだが、まったく届かないのである。

焦れに焦れて、火のような息を吐きながら、男の首を掻き抱き、狂ったように腰を押し付けていくと、待ちに待った逞しい両手が柔腰の双丘をがっしりと掴んでくれた。

豊かに盛り上がった腰の肉丘をわしづかみにされたかと思うと、次には両手の力を抜いて、またしても腰全体を柔らかく揉みしだいてくる。

その手は、伸縮性に富んだ布地を通して、その中身の躍動感を愉しむかのようにひたすら摩りまわしてくれるのである。

ぴっちりと腰を包み込んでいる布地がやがて徐々にずり上がって行き、また撫で回され、それを繰り返す内に、見事な張りを持った真っ白な太股がすっかり剥き出しになってしまった。

おのれの下半身が最も淫らな姿を晒してしまっていることが頭の隅をよぎった瞬間に、必死にこらえて来た最後の何者かが、女体の奥に潜む本能に積極的に手を貸したようであった。

最早、ターゲットを観察している余裕など全く見失ってしまったのである。

堪らず、ひくひくと腰が震え、残る力を振り絞るようにして再び腰を押し付けていったとき、震える肉丘がまたしてもがっしりと捉えられ、ぐっと引き寄せられた。

両足が浮き上がった瞬間、待ち焦がれていた箇所にそれが到達し、再び強く引き付けられゆっくりと上下に揺すられた。

「はうっ。ああっ」

こらえにこらえていたものが堰を切ったように溢れ出し、唇を噛み締め、眉を寄せ、鼻息を荒げながら激しく擦り付けていく。

体重の全てを男の手に委ね、再び強く引き寄せられたとき、首に絡めた両腕に精一杯の力を込めながら、思い切り両足を開いて男の腰に巻きつけて行ったのだが、逞しい相手は、奔馬のような獣をがっしりと支えて小動(こゆるぎ)もしないのである。

やっと、自らの意思で自らの希うとおりの箇所に男を擦り付けることに成功した獣は、そのあられもなく淫らな姿に、一層強い興奮を呼び覚まされてしまったのかも知れない。

それは、かつて経験したことの無いほどの激しさを持つものであった。

さまざまに訓練を経てきた全身の筋肉も、俄然目を覚まして手を貸してくれた。

両腕を伸ばして上体を反らし、たわわな乳房を剥き出しにしたまま、必死の形相で腰を揺すりたてながらそこに擦り付けていく。

男の両手にも力が加わり、女の腰の動きに合わせるように引き付け引き揚げされると、いまやすっかり腰の布地がずり上がって、真っ白な尻の上までが剥き出しになってしまった。

獣は動きを強めながら、一段と鼻息を荒げ遂には大きく嬌声を発するに至った。

「ああっ。あっ、あっ。」

そのとき、真っ白な腰がもう一段ずり上げられ、若さに溢れる塊の先端が、熱くたぎる入り口の辺りをさまよい、焦れ切った獣は両腕を縮め狂ったように縋りつき、それを捉えようとするが届かない。

柔腰を必死に浮かせ、くねりくねりとうねらせながら吹き上げるように叫んだ。

「おねがいっ。」

堪らないほどの切なさに、腰を痙攣させながらせがんでしまったのだ。

今度は、蠢く腰がゆっくりとずり下げられ、最も敏感な突起を猛り立つものが一瞬擦りあげた。

「ひいっ。」

堪えきれず、またしても腰が震えてしまう。

そしてそのまま静かに降ろされて、それまで張り詰めていた筋肉が強烈な負荷から開放され、よろめく両足をやっとの思いで踏みしめることが出来たのである。

無造作に押されて僅かに後じさりすると、案の定すぐ後ろが壁であった。

ほっと一息ついてから、右手をそろりと下ろし、胸を弾ませながらしっとりと握り込むと、たちまち確かな反応が返ってきた。

真っ赤なマニキュアの白い指が、熱い猛りとその下のものを撫で回し、さすりまわし、根元を握り込み、今までの恨みを晴らそうとでもするかのように存分に弄び、もうそれだけで全身が疼き益々淫ら心を掻き立てる。

掌の中のものからは、充分すぎるほどの荒々しい反応が返ってきて、最も淫らなところを刺し貫かれたようなそんな気さえしてしまう。

自身のそこからは熱い獣のかたまりが蕩け出し、やがて溶岩となって溢れ、音をたてて滴り落ちた。

「はあっ。」

喜悦のあまり大きく喘ぎながら、掌の中の愛しいものを握り直し、再びさすりあげたとき、右膝が高々と持ち上げられ、やむなく後ろの壁に背中を預けた。

そしてようやく男が腰を落としてくれて、待ち望んでいたものが丁度その位置に近づき、そしてさ迷う。

握り込んだ掌の中で猛々しく反り返ったものを、必死の形相で引き寄せ、濡れそぼったその場所に宛がい腰を寄せて行き、辛うじて先端を捉えることに成功した。

「あふうううっ。」

もう一度両手で男の首に縋りつき、眉を寄せ、切なげに喘ぎながら真っ白な柔腰を揺すり上げ、必死に咥え込もうとするのだが、哀しいかな男の腰と腕が一向に協力してくれないのである。

焦れて、いらつき、遂に髪を振り乱して叫んでしまった。

「入れてっ。」

口走ってしまった言葉がさらに強烈な刺激を連れてきて、狂ったように縋りつきながら大きく腰を揺すり上げたとき、待ち焦がれていた限りなく愛しいものが一気に滑り込んで来てくれた。

「はあああっ。」

今まで待たされた分だけ、その歓びはとてつもなく大きなものに感じられ、蕩けそうな柔腰を激しく振りたててしまったのである。

「いいっ。」

火のような息を吐きながら、激しく腰を遣い、限りなく淫らに叫ぶ。

「はああっ、たまんないっ。」

今やはだけきってしまった胸元で豊かな乳房がたわみ揺れて、鼻息を荒げながら、狂わんばかりに腰を揺すり立てる。

「いいのっ。」

男の腰が大きく動いて、思い切り貫かれ、また、ゆっくりと引いていく。

いまや主導権は完全に相手のものになっていて、実に力強く送り込まれるたびに、戦士は悲鳴のような喘ぎを上げて柔腰を揺すり続けるばかりであった。

いくたびも力強い動きが繰り返されて、狂わんばかりの歓喜を味わい尽くそうとしているときに、ほとんど抜けかかる寸前で動きが止まり、又しても入り口付近を小さくさまよう。

「だめっ。」

戦士は火を噴くように叫んでしまったのである。

再び咥え込もうと髪を振り乱して柔腰を突き出した瞬間再び強く突き込まれ、すり上げられ、その途方も無い快感に真っ白な柔腰を激しく揺すり上げ、息も絶え絶えに喜悦の声をあげた。

「そこっ、そこよっ。」

淫らな声に応えて、一段と激しく抜き差しされると、剥き出しの柔腰を狂ったように揺すりたて、髪を振り乱し、鼻息を荒げながら感極まったように叫ぶ。

「いっ、いっちゃうっ。」

男もそれに合わせて激しく腰を遣ってくれて、柔腰をがくがくと震わせながら、押し殺したような呻きを搾り出して極みに昇って行く。

「ぐうううううううううっ。」

力いっぱい縋りつき、蕩ける腰をびくりびくりと脈打たせて、奔馬は又しても孤独に果てて行く。

そして、戦士を喜悦させて止まないものは、変わらぬ硬度を保ったまま力強く貫いていてくれるのである。

「はあああっ。」

恍惚の表情を浮かべて、ひしとばかりに抱きついたまま、濡れた柔襞が熱く収縮を繰り返す。

その柔襞で、愛しいものを絞り上げ幾度も締め付けては、残りの愉悦を吝しむかのようにいつくしみ、まことに貪婪に味わい尽くそうとする。

しかしそれは、その収縮を撥ね返すほどの勢いで脈打ちながら、いつまでも雄雄しく応えてくれるのである。

やがてすっかり味わい尽くし、全身の力が抜け、その場に崩れ落ちそうになったとき、軽々と抱き上げられ、そのままベッドにまで運ばれて優しく寝かされていた。

ひどく乱れてしまった身仕舞いを優しく直し、上掛けを掛けてくれる少年をとろりと見上げると、その若々しい肉体は未だ充分な機能を保ったまま圧倒してくるのである。

どうにかして、この子も最後まで連れて行かなくちゃいけないと思った。

だって、この子は最後まで行ってはいないのだ。

このままでは、あたしがあんまり惨めだ、とは思うものの、かなり無理な体勢で酷使した体が、悔しいけどどうしても言うことを聞いてくれそうにないのである。

疲れ果てた獣は、今はまるで傷付いた小鹿のような姿で横たわり、さも物憂げに視線を移すと、いましも悠々と身じまいを終えた少年が、キッチンから冷蔵庫の中の酒瓶を一本下げて来て、それを目の前にかざしながらにこりと笑っている。

いかにもここに来た目的は、これだったと言うように。

そして、雪駄を鳴らしてあっさりと戻って行ってしまったのだ。


女は、若干の発熱と筋肉痛によって、次の日一杯を寝込むことになる。

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