日本大好きじいさんの落書き帳

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自立国家の建設 060

 ◆ 目次ページに戻る

さて、ここに来て半島に関する新たなニュースがあり、それによると、このたび北部朝鮮から韓国政府に向けて「ある申し入れ」がなされたと言うのだが、その内容をつまんで言えば、「日本から韓国に向けて戦後に行われた供与や支援の半分を我が方に分配すべし。」とするもので、その要求額は現在の米ドル換算で五百億ドルにも及ぶと言う。

全ては、「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(千九百六十五年六月二十二日)」、通称「日韓基本条約」並びにそれに付随する諸条約に拠って主張しているとされたのだが、この「日韓基本条約」なるものは、それ以前の日韓関係の全てが『官民ともに』清算済みであることを謳った上で、改めて両国間の国交を正常化させようとするものだったのであり、『官民ともに清算済みである。』とする以上、日本側の官民がかつて朝鮮半島に残した膨大な資産も全て放棄すると言う他に類を見ない不思議な条約なのである。

しかも、その後の数年間この日本は韓国の国家予算に数倍するプレゼントをし続けることを約定し、かつ当初の約定以上のものまで支払うに至ったのだ。

ちなみに、その第三条に言う、

「大韓民国政府は,国際連合総会決議第百九十五号(Ⅲ)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。」

北部朝鮮曰く、『この第三条において、半島全域における唯一の政権は韓国政府だけだと認識していることを日韓ともに宣言しており、そうである以上そう言う前提で実行された支援も又、半島全域を対象として付与されたものと解釈するのが妥当である。』

詰まり、韓国政府は北部朝鮮の分までまとめて懐に入れてしまっていることになるのだから、その半分ほどのものは一時的な預かりものに過ぎないと主張していることになるのだ。

また、「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」第二条の3項において、

「2の規定に従うことを条件として、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もすることができないものとする。」としており、「この協定の署名の日以前に生じた事由に基づくものに関しては、両国の政府も個別的な国民もいかなる主張もすることができないものとする。」ことは既に確定事項なのである。

詰まり、半島全域を領有している筈のその当事者が、国家として、或いは国民個人としても過去の請求権を一切放棄したことになる上、そのこと(請求権の放棄)と引き換え(のようにして)に、日本から大韓民国へ供与支援が実行されたのだから、日本から受領したモノの内半分の配分に与(あずか)る権利があると主張していることになるのだ。

なお、国家レベルのものとは別に、半島全域の民衆個々の請求分まで韓国政府が現に受領してしまっていることについても厳しく追及しているとされ、要するに、韓国政府は北部朝鮮の取り分だけでなく、半島全域の民衆の分まで「ネコババ」してしまっている、と主張し、その「ネコババ」した分を、即座に全て返せと言っていることになる。

念のために繰り返すが、以上のことは、あくまで「北部朝鮮が韓国に対して」要求していることであり、半島内の新たな火種となりつつあることは確かだろう。

なお、誤解を避ける意味で書き添えさせていただくが、筆者自身は、我が日本と朝鮮半島との「過去の清算」を考える場合、国際慣行から言っても本来支払うべきは日本側では無く半島側だと考えており、日韓基本条約締結後に莫大なカネを日本が支払ったこと自体不合理だと感じているところではある。


王と秋元京子との通信。

王は大浦村の若衆宿の一つ、一方の京子は松涛にいる。

「お指図を願わしゅう。」

「なにごとか。」

「南郷閣下にお会いになられて、思いのほかのお怒りでございまして。」

元外務事務次官、在米特命全権大使南郷正徳と言う男なのだが、以前から妻に面会を願ってきていたため許したところ、思いのほかの不興を買ってしまったと言う。

「あの老人が、不埒(ふらち)を働いたとでも申すのか。」

「それどころか、お世辞たらたらでございました。」

「では、怒ることもあるまいに。」

「いえ、あの方がワシントンの意を受けてご機嫌伺いに見えたことが判っておられたところにもってきて、そのお世辞の使い方が又悪うございました。」

駐米大使である男がワシントンの意を受けて動くこと自体腹立たしい上に、下手なお世辞まで遣って妻の怒りを買ってしまったと言うのだが、ここで言う「ワシントンの意」とは、秋津州から受けつつある脅威を幾分とも和らげる一方、韓国に対する支援に関しても、日秋両国の財布の紐を緩めたいと言う願いを含んでいるのだ。

韓国からして見れば、もともとから負っている対秋津州債務に加えて、対北部朝鮮の潜在的債務まで表面化しつつある今、最早、膨大な支援無しには国家財政が立ち行かなくなってしまっており、かつて日系企業のほとんどが手を引いてしまったあとに、米国主導で欧米系企業が多数参入している現状を踏まえれば、米国側も迂闊に支援を打ち切るわけにも行かない。

現にその欧米系企業まで腰が引けてきているとされる今、世銀もIMFも日米の保障無しには益々手出しを控えざるを得ず、翻って日秋両国にしてみれば何をしてやっても結局恨まれてしまうと言う現実がある以上、傍観者たらざるを得ないことは既に国際的常識となりつつあるほどだが、全ては、その国の歴代政権が自らの保身を優先するあまり、散々に歴史を改竄し続けて来た報いがひどく高いものについてしまっているに過ぎないのだ。

片やワシントンにとっても、北部朝鮮や中露が全て秋津州の翼下に抱かれた今、防共の最前線としての韓国の存在意義はとうに過去のものとなってしまっており、これ以上韓国側の肩を持ってもその国益に結びつくことも無く、それどころか、一刻も早く手を引きたいのが本音だろう。

「ほう。」

「奥さまを、いにしえの女王卑弥呼になぞらえて、お太鼓を叩こうとなさいまして・・・、それがお怒りの発端でございました。」

「ふむ。」

「南郷さまが、卑千人を以て自ら侍せしむ、と仰いましたら、奥さまのお顔の色が・・。」

卑千人を以て自ら侍せしむとは、千人もの召使いを常時近侍させているの謂いであり、それを、王妃も同じく千人の従者を配備されていることになぞらえ、軽い気持ちで媚びたつもりだったのであろう。

「うむ。」

「その上ご丁寧にも、『乃ち共に一女子を立てて王となす。名づけて卑弥呼という。鬼道につかえ、よく衆を惑わす。』と、まるで呪文でも唱えるように仰るのです。」

「そうか。」

「あなたは確か、日本国の外交官をなさってるお方ですわよね、と奥さまがお尋ねになりましたが、それでも未だ通じなかったようで・・・。」

「学究の徒ならいざ知らず・・・。」

「あなたはご自分のおばあさまが、他人さまから卑弥呼とあだ名されて嬉しいですか、と、重ねておたずねになりましたが、それでも未だお分かりにならなかったようでございます。」

ちなみに、中国の古書「三国志」に記述されている女王『卑弥呼』の名は、日本の史書には登場しない。

少なくとも「卑弥呼」と称した女王など、日本側の記録には一切登場しないのである。

つまり、当時の中国側が勝手に(当て字をもって)名付けた呼称に過ぎない上、この女王が誰のことを指しているのかも不明であり、曰く、天照大神、或いは神宮皇后、又或いは・・・、と不確実な「推論」ばかりが百出しているのが偽らざるところだ。

加えて、この「卑弥呼」と言う当て字には少なからず問題があるだろう。

どう見ても「女王ひみこ」(と同時に当時の日本)を蔑んでこの文字を当てていることは、中学生にでも判ることであり、この意味での「蔑み」を理解出来ないと言う日本人は、文字そのものの意味を解せない人だと言うほかはない。

だからこそ、王妃は「あなたはご自分のおばあさまが卑弥呼とあだ名されて嬉しいですか。」と、わざわざ尋ねてもいる。

だが、あの老人は、それでもぴんと来なかったと言うのだ。

それが学究の徒であればまた話は別だ、とは若者も言っている通りだが、現実の南郷正徳は歴々たる日本国の外交官なのであり、外交官は、自国の国益と誇りを常に最前線に立って守るべき義務を持つ者であることは言うまでもあるまい。

「・・・。」

「たまたま加納さんがいらしてましたし。」

加えて、加納三佐が同席していたと言うが、前以て来訪していて一部始終を目にしていたことになり、だからこそ、その処置についての判断を仰いでいるのだろう。

「日本人としての誇りのかけらも持たない人のようだ。そのようなお人がずっと外交の檜舞台の中心にいたとはな。」

元外務事務次官、現駐米特命全権大使と言う役職は、外務省の中でも決して軽いものでは無い。

それどころか、秋津州戦争が勃発する前までなら、現職の外務事務次官よりも歴然として上位にあったと言って良いほどの職位なのである。

「わたくしには怒りの感情はございませんが、奥さまが辱めをお受けになったことだけは理解出来ましたわ。」

無論、ヒューマノイドに感情などは無い。

「うむ。何をかいわんやだな。」

ただ、南郷大使の方に相手を辱める意図などは全く無く、単なる阿諛追従のつもりでいることこそが、もっとも由々しき問題ではあっただろう。

「いかが取り計らいましょう。」

「わが妻の思い通りに致させよ。」

「承知致しました。」

この件が、特別、問題として表面化することは無いにせよ、王妃が「一日本人」として、ひどく気分を害したと言うことが重い事実として残ることに違いはなく、このようなアイデンティティの持ち主が外交の手綱の一端を握る惨状を憂慮しているとする王妃の心象が、「竹島」の件とも相俟って急速に増幅されて行くに違いない。

のちに、岡部大樹からの一報を受けて官房長官が総理の耳にも入れたと言うが、総理は「王妃は確かに日本人でいらっしゃる。」と、ただ一言述べただけだったと伝えられたのである。


十一月二日に至り、日本政府からは一切公式な発表が無いままに、日本の報道機関が揃って竹島問題を取り上げることになった。

公式にしゃべらなくとも非公式情報は常に大量に漏れるものではあるものの、殊に今次のケースなどは官邸の方から積極的にリークされたものに違いないと囁かれ、それによれば、いよいよ王妃がその「私有地(竹島)」に赴く(らしい)と言うのだ。

王妃のその行動によって必ず何かが起きることは誰の目にも明らかだとして、各報道機関は大童(おおわらわ)で張り切ってしまっており、そのいずれもが、竹島を巡る過去のいきさつについてはあまり情熱をかたむけようとはせず、現在の状況及び明くる十一月三日に、日本海において惹起されるであろう事件について盛んに予想することで賑わってしまっている。

予想なのである。

なんにせよメディアは大騒ぎだ。

その事件の発生が予想される海域の警備担任は、本来舞鶴を拠点とする第八管区海上保安本部なのだが、第九管区海上保安本部(新潟)から巡視船「えちご」三千二百トン(ヘリ搭載型)が動員されて来ている映像まで報道されて、なおのこと人目を引いた。

無論、本来の担任たる第八管区の各巡視船は、「だいせん」三千百トン(ヘリ搭載型)を筆頭に並々ならぬ空気を漂わせていると報じられ、特に快速を誇る小型巡視艇「ほたか」や「あさま」などは、明日の成り行きによっては、「敵前上陸」を敢行するにあたって、俄然主役を務めることになるとして頻繁に報道画面に登場し、大きさだけで言えば海自の護衛艦にも引けをとらない「しきしま」(六千五百トン)まで回航されてきているとまで囁かれる始末だったが、近隣漁協に対して翌三日の関連海域への出漁の自粛要請が出されたことが伝わるにつれ、あの日本政府もやっと重い腰を上げたらしいとして注目する者は少なく無い。

韓国側が問題の海域に多数の「軍艦」を配備し始めているさなか、日本側の配備は全て国交省外局である海上保安庁だけで対応する構えに見えている今、海保が「軍」では無く、あくまで海上の「警察」であることから、その巡視「船」は武備兵装の点において韓国の「軍艦」とは雲泥の差があることを言い騒ぐものもいるが、何せパトカーに乗った警察官が、自衛隊の戦車部隊に立ち向かうようなものなのだ。

韓国外交部では駐韓日本大使を呼びつけて、世界中で報道されているこのことについて糺したが、日本側は「誰であろうと、我が国国民がその意思を以って国内を移動し得ることは明々白々なことであり、それこそ他国の口を挟む事柄ではない。」と述べたと言う。

「日本人」である久我京子が日本国内をどこに移動しようが、大きなお世話だと言ったのである。

なお、日本側は終始強気の姿勢を示し、「我が国は、第三護衛隊群旗艦「はるな」も、イージス艦「みょうこう」も、当該海域には一切出してない状況であるにも拘わらず、貴国は相当数の軍艦をその海域に出している現状を見るのは甚だ不審である。直ちにその退去を求める。」と逆襲までして見せた上、「退去の実情が確認されない場合、日本国政府は適切な処置を採る用意がある。」と、強硬に言い切ったと言う。

とにかく、この一歩もひかないと言う日本側の姿勢は、韓国側にとって始めて経験するものであり、一部にあった「対日断交」論などあっさりと影を潜め、挙句に駐留米軍からも冷然と無視されるに至って、已む無く当該海域からの撤収命令を発せざるを得なかったようだが、この状況が二日の午過ぎのことである。

然るに、韓国大統領の撤収命令は却って現場の混乱を招き、韓国海軍は依然として現場海域に残留することになり、肝心の竹島にも七十人ほどの武装韓国人が居残ったままだ。

韓国内では諸方で民衆が抗議行動を起こし、ソウルだけでも百万を超える大群衆が集結し、その反日感情はますます燃え盛る一方であり、駐韓の日本公館は各地で怒涛のようなデモ隊に囲まれ罵詈雑言と投石の嵐を浴びる中、一部の民衆が小型船舶をチャーターして、続々と竹島に向けて出航して行っていると言う。

反日感情に燃えた大衆はさながらソウルを革命前夜の様相に変えてしまい、その鎮圧を命ぜられた軍の動きは極めて鈍重だと伝えられる上、軍の一部が熱狂する民衆に迎合するかのような動きまで見せ始め、青瓦台の統制力がほとんど機能してないことを露呈し始めていると言うが、日本側の態勢はと言えば、全ての巡視船を隠岐や境、或いは舞鶴などの港内に引っ込めて平穏に船泊りさせており、開戦前夜の当事国のすることとは思えない。

無論、軍である海自の方もこれと言って特別の動きを見せることも無く、東京も全くの平穏を保っており、その点韓国側の動きとは好対照をなしていると言って良く、この冷静な日本側の対応も報道されてはいるものの、韓国の諸方に燃え広がった愛国の炎は一向に収まる気配は無く、却ってその勢いを増しながら二日の夜を迎えるに至ったのだ。

また、その夜のうちに韓国国内に広まった「奇妙な」情報の数々は、のちになってからもその出所が謎とされるものばかりである。

中でも衝撃的だったのは、北部朝鮮軍が三十八度線を怒涛のように踏み越えてきている、と言う情報だったと言うが、何せ、南北朝鮮の関係は未だに単なる「休戦中」なのである。

無論、休戦は停戦でも無く、まして終戦などであるわけがないのだから、北部朝鮮軍が攻め込んで来ても何の不思議も無いのである。

現に、攻め込んで来ていると言うこの噂だ。

これに対するに韓国人の示した反応も又特異なものと言うべきか、常日頃から北部朝鮮との融和政策を主張していた者の中で、国会に議席を持つものはおろか、一般市民までが多数殺戮されたとする情報が瞬時に駆け巡ったのだ。

無論、殺害したと目されたのは自国の軍若しくは警察であったが、実は、韓国には、こう言う噂が流れる素地が十分に存在したのである。

何故なら、かの国にはそう言う同胞殺戮に関する歴史が溢れるほどに存在するのだ。

判っている大規模なものだけでもこれだけある。

先ず、千九百四十八年の済州島四.三事件で数万人の韓国人が死亡した筈だが、既に千九百四十五年の夏に日本は降伏し占領されてしまっているさなかだ。

また、千九百五十年の大田刑務所虐殺事件・保導連盟事件・国民防衛軍事件等々では、どう少な目に見ても四十万人以上が死亡、千九百五十一年の居昌事件でも八万五千人が死亡しているとされ、しかもこれ等のほとんどが、韓国軍が同胞を死に至らしめた歴史であり、結局自国民(の反政府勢力)が北部朝鮮(共産勢力)に利用されて、利敵行為に走ることを恐れての大量殺戮事件ばかりなのである。

しかも、その他、小規模のものなどは枚挙にいとまが無いほどで、それらのほとんどは藪の中ではあったものの、民衆の間に、それらの凄惨極まりない同胞殺戮の歴史を知る者は多く、自然、又しても同じことが繰り返されるのかと思い、激しく動揺が走った筈だ。

そう言った最中、次なるニュースとして、駐韓米軍の完全撤収の噂が電光のように広まったのである。

そうなれば、現在の米国からの支援体制は音を立てて崩れ去り、土俵際で必死に踏ん張ってきた韓国経済が瓦解土崩することは避けられず、この時点で、外国人ばかりか韓国人富裕層までが外貨を抱えて国外脱出を計り始め韓国経済の土台を崩し始める。

マーケットは、もともと脆弱なウォンをじきに見放してしまうに違いない。

韓国経済はこれまで幾度と無く崩壊の危機を招いてきており、その度毎に丘の向こうから颯爽と現れる白馬の騎士に救われて来たが、果たして今回はどうであろう。

もし、強力な救いの手が差し伸べられなければ、次に来るものは、お定まりの暴動と略奪、陵辱と殺戮、破壊と放火であり、そして際限も無い混乱ではあろうが、既にその国の秩序は破壊されて、いつもの「白馬の騎士」の登場を願うばかりである。


夜半になって、青瓦台は在秋津州の自国代表部を通じ、内務省最上階に向けて懸命のサインを送ろうとしていたことだけは確かだろう。

無論、内務省最上階とは、秋津州国王を指しており、詰まりは、この「内務省最上階」自体が「白馬の騎士」となって、哀れな青瓦台を救って欲しいのである。

第一に頼みにすべきワシントンがろくな返事もしてくれない今となっては、もう他に頼る当ても無く、言わば切羽詰ってのことなのだが、本来なら、大韓民国は、とてもそんなことを言えた義理では無い筈だ。

何しろその国は秋津州に対して、恩を仇で返すような行為ばかり繰り返して来ている上に、一方の日本とは今まさに紛争の真っ最中(のつもり)なのであり、その紛争の張本人こそ秋津州王妃その人だとされているのだ。

無論、この王妃本人については韓国内でも諸説があり、日本人久我京子と言う一個人が、これほどまでに「獨島(竹島の韓国側の呼称)」にこだわるのも妙と言えば妙であり、全ての背後に秋津州国王がいるとしか思えない。

だいたい日本の女子大生のほとんどは、「竹島」など自国の領土であろうと無かろうと、自分自身の自由な生活には何等影響を受けないと考えている筈で、結局は他人事なのであり、彼女たちのほとんどは、「竹島」など何処にあるかさえ知らないし、知ろうともしない。

この意味で、久我京子自身が「竹島」に強い関心を持つ事など如何にも不自然と言うほかは無いと言うのである。

しかし、本国から、血を吐くような訓令を受けた韓国代表部の責任者も気の毒と言えば気の毒だ。

対秋津州外交における有力な人脈を築くどころか、最近では国際社会において益々孤立感を深め、時に当たって仲立ちを頼めるような相手もいないのだから、その苦悩は想像だに哀れであったが、彼の胸の内では、自国の災いが全て他国の仕業によるものに見えてしまっており、ひたすらその相手を呪わざるを得ない。

日本や秋津州など、そもそも存在していること自体が腹立たしいのである。

哀れな外務官僚の内心の恨み言は延々と尽きることは無く、殊に秋津州の存在がひたすら恨めしく、その思いがつい口に出てしまった。

「身の程知らずめ。」

胸の中の恨みが際限も無く膨れ上がり、憎悪のはけ口となって溢れ出た。

「ちょっぱりがっ。」

悔しいが、この時期、秋津州と我が国とでは国家としての規模が懸絶してしまっており、たかが大和民族の末裔を称する秋津州の国王風情が、不遜にも仰ぎ見るほどのみに昇ってしまっているのである。

どだい大和民族などと偉そうに言っているが、本を糺せば我が栄光の朝鮮人の中でも別種の賤民だったやつらが、遠い昔に日本列島に移住して行った者の成れの果てに過ぎない以上、本来なら、我々の足元にひれ伏すべき存在であるにも拘わらず、腹立たしいことにそれが我々よりはるかに豊かに生きており、その事からして、きっと何かが間違っているに違いない。

元来あの賤民どもは我々の奴隷なのであって、この点から言っても、彼等が所有する富は全て我々朝鮮人の物であるべきで、そもそも、あの連中が我が朝鮮民族と対等に生きていること自体が間違いであり、大和民族などは、全て我々ご主人さまに尽くすためだけに日々額に汗して働くべきなのだ。

挙句の果てに、日本政府は「獨島」を民間に払い下げて見せることで、我が国の主権を踏みにじり露骨に挑戦してきており、全ての原因を作ったのはやつ等の方なのだ。

しかしそうは言っても、今、本国で起きている騒乱は一向に収まる気配も無い上に、状況は時間の経過と共に益々悪化するばかりで、明日になれば事態はより深刻なものとなってしまうのだから、最早なりふり構ってる余裕などある筈も無い。

だが現実には、秋津州国王の座す絢爛たる玉座は、無情にもはるかに遠く、新田のオフィスに電話を掛けるよりほかにその道筋すら見出すことが出来ず、内心の苛立ちは、電話のプッシュボタンを押す指先さえ震わせてしまうほどであったが、深夜にも拘わらずその電話口に出た相手は、恐らくアシスタントの日本人女性であったろう。

非礼を詫びながらひたすら鄭重に新田との面会を申し入れてみるのだが、既に自室で寛いでいて要請には応じられないと言う。

新田の自室にはオフィスからの内線も立派に通じてる筈なのに、新田本人は電話口にさえ出てはくれず、重ねて取り次ぎを頼んでは見たものの、冷然たる応えが返ってくるばかりで空しく引き下がるほかは無かったのである。

一方の東京では、外務大臣が駐日韓国大使を本省に呼び、現地在留邦人の身の安全を図る上で一刻も早い治安の回復を要望したが、韓国側は今次の混乱の責任は全て日本側にあるとして、逆に強く抗議する始末で全く出口が見えて来ない。

現に出国しそびれた在留邦人が、現地の日本公館に続々と保護を求めて来ており、一部怪我人が出ていると言う報道まであるのだ。


しかしながら、ここに巨大な虚構がある。

そもそもの発端は、「竹島」と言う官有地を民間に払い下げた「事実」が、官報において広く告知されたことにあり、次いで日本の報道機関が勝手な観測(憶測)記事を書き、同時に各テレビ局が一斉に特別番組とやらを組んで狂騒し、内外の民をある特定の方向に意識誘導を繰り返した。

その「憶測」の内容は、「竹島」の所有者が十一月三日に現地入りするのではないか、と言うものであったのだが、この「現地入りするのではないか。」が、いつの間にやら「現地入りする。」にすりかわってしまっていたのだ。

そして、その民間人は強大な「武力」を以って、(日本側から見た)違法滞在者を排除することになる(のではないか)、とも報じた。

それも、「盛んに」報じたのである。

結果として、これ等の報道から聴視者が受けるイメージでは、あたかも日本海で「武力衝突が発生する」ことになってしまった。

日本側が実際に政府レベルで行ったのは、当該海域への出漁を控えるよう現地漁協に指導したことだけであり、それこそ一兵たりとも動かしてはいないのだ。

これをしも、当該海域で不測の事態が起こることを恐れての処置であって、何等他国の非難を受けるような事柄では無い。

更に、駐韓日本大使が韓国側に対して「誰であろうと、我が国国民がその意思を以って国内を移動し得ることは明々白々なことであり、それこそ他国の口を挟む事柄ではない。」と主張し、「韓国が当該海域に出している相当数の軍艦を直ちに退去させることを求め」たのも取り立てて異常なことではない。

なおかつ、「その退去の実情が確認されない場合、日本国政府は適切な処置を採る用意がある。」と、強硬に言い切ったことも主権国家ならごく当たり前のことだ。

その結果、青瓦台は(米軍にも冷たくあしらわれ、単独で日本と闘っても勝てる見込みは無いから)、已む無く「当該海域(竹島周辺)からの撤収を命じた。」のである。

しかし、青瓦台の撤収命令が国民の燃え盛る愛国心の炎に油を注いでしまった結果、青瓦台は軍に対する統制力まで半ば失うに至り、海軍も当該海域から退去しようとはしていない。

挙句に韓国民間人が多数その海域に接近し、かついたずらに遊弋、航行して、本来暗闇であるべき海上に無数の光芒を発しており、皆それぞれが高揚しきってしまっているから無秩序に駆け回る小型船舶が増え、当該海域は極度の混乱状態に立ち至ってしまっていたのだ。

だが、在韓国連軍司令官(米韓連合軍司令官兼務)マイケル・P・グラント大将は有事ではないとして指揮権を発動せずにおり、日本側は女性隊員を主力とする特殊部隊を対馬に派遣したとされ、彼女たちが無数のD二やG四を従えていたと言う噂まで出始めていたことは確かである。

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  1. 2005/11/05(土) 10:41:20|
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