日本大好きじいさんの落書き帳

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自立国家の建設 152

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さて、ドリフターの居住区に話題を戻そう。

その神域ではあの対決から数えて既に四度目の朝を迎え、その住人を急速に増やしつつあるが、恐るべき運命に関するあれこれが万雷のように轟いてしまっていることもあって、最初から移住を前提にしてやって来る者も少なくない。

彼等が耳にするところによればこの居住区全体が滅んでしまうと言い、そのように予言した者こそオヤカタサマであり、そればかりか今度もローマ人を揃ってお救い下さるらしい。

実際彼等は何度も救われて来ており、その脳裏に過去の伝説が鮮やかに蘇りつつあるところに持って来て、あの総主教さままでがその前提で動いておられると聞こえて来るのだから、もう一も二も無く信じる者が少なくないのである。

現に、自宅を畳んで来たと言う者だけでも五千を超えようかと言う勢いであり、ヤサウェ指揮下の多様の機器類が獅子奮迅の働きを見せて彼等の暮らしに手を貸しつつあるが、ヤマト合意の採択により対応の一切を一任されたことを受け、俄然積極策に転ずるとするお下知まで頂戴しているだけに、ヤサウェの繁忙振りもいよいよ酣(たけなわ)だと見るべきだろう。

とにもかくにも、大量のローマ人が織るようにしてやって来るのである。

その内容にしてもさまざまだが、中でもネオマ親子とマリレナを中心とする一団が昨日の内に参着しており、それも、女官団や護衛の者、そしてそれぞれの家族や使用人まで含めるとそれだけで百五十を超えようかと言う賑やかさだ。

カラヤニス城ではステファノプロスが勇躍采配を振るいつつ、十五歳の嫡男ベネディクトスは残したものの、妻のソフィアまで十三歳の次男ディミトリオスを付けて送り出してしまっており、長女のネオマは城主夫人として、次女のデイアネイラと三女のオルティアはマリレナ付きの女官として加わっているだけに、これでステファノプロスの家族は、その嫡子一人を除けば全て王家の里に入ってしまったことになる。

しかもカラヤニス家の直臣の多くを行列の護衛としたことにより、城内の兵力は僅かなものになってしまった筈なのだが、振り返れば既に多くの客将がいる。

全て皇女への随身を想って橋渡しを願って来ている者ばかりであり、もともと烏合の衆だとは言うものの、時勢と言う名の奔馬に跨っていることが歴然としており、その想いが雑兵(ぞうひょう)の端々(はしばし)に至るまで行き渡っている今、その士気一つとっても侮れないものがあって当然だろう。

入城の許しを乞う客将は四・五人の従卒を引き連れている例が多く、従卒が一人だけと言う例がある一方、一族郎党を引き連れていてその総数も二十人以上などと言う例も無いではないが、とにもかくにも陸続とつめかけてカラヤニス城の備えとなって行くのである。

だが、そこに問題が無いわけではない。

詰まるところ彼等客将たちの有り様は、代々のパレオロゴス王朝に仕えて自領の相続を認められて来ている小豪族ばかりであり、一方で彼等を指揮するステファノプロスはと言えばカラヤニス家の一家宰に過ぎず、皇帝陛下の直臣を以て任じている彼等からすれば言うまでも無く陪臣の身だ。

従って、そのことに関して、内心良しとしない者もなかったとは言えないのだが、その一方にさまざまに特殊な背景がある。

すなわち、かつてカラヤニス家には三人の男子があったが、その長子と次子があのスフランツェスの手に掛かってしまっており、近頃そのことが確認されたことによって末子のアルセニオスの相続が確定するに至ったが、たまたまステファノプロスはその末子の岳父の身となっており、しかも娘ネオマが生(な)した末子の子ニコメデスが一人息子であるだけに、自然カラヤニス家の相続権を有することになってしまっているのである。

詰まり、ステファノプロスは家宰とは言いながら、主家の相続権を持つニコメデスの外祖父と言うことになり、そのことも、ステファノプロスが采配を預かるにあたって無縁だとは言い切れない状況があるのだ。

しかも、そのこととは別に客将たちの視界には無視出来ない事象が映り始めている。

それは、東方はるかな神域と呼ばれる地域で既に起きてしまっていると言う。

途方も無く強大な何者かが既に興ってしまっていると言うのだ。

オヤカタサマである。

そのオヤカタサマはその地域に百万単位の兵を配備なさったと聞く。

天から降ったか地から湧いたかは不明だが、それほどの大軍を侵入させるなど、音に聞く伝説の「み業」そのものではあるまいか。

何せこの居住区は優れた機密性を持った魔法瓶のようなものであり、外部との出入りには数ヶ所の閘門を用いるより他にないにもかかわらず、そのような形跡が何処にも無いと言うのである。

とにかく、百や二百の人数ではない。

目を疑うような大軍勢がその領域をびっしりと警護していると言い、客将の一部にその光景を遠望して来た者まで存在し、その情報は既に全てを圧するほどの重量感を持ち始めてしまっており、それは彼等の世界観の中で、そのヒエラルキーの頂点にあるものが何者であるかを否応無く規定してしまったろう。

何せ、彼等の総人口ですら十五万にも満たないのである。

最強の王者の出現と言う現実に異論など出て来よう筈も無い。

しかもそれがオヤカタサマであることに疑問の余地が無いだけに、この度皇女セオドラがその臣列に加えられたことは如何にも重大だ。

その上、そのことに関連して興味深い情報まで聞こえて来る。

なんと皇女は、そのご主君から既に莫大な俸給を受けていて、それを財源として直臣たちの賄い料を豊富に支給しているとされている上、定住地が定まり次第只一人所領を賜る筈だと言う。

オヤカタサマの所領は際限も無いほどのものであると言い、思えばネメシス一つとっても現にそうだったのだ。

彼等の世界観が牢固たる封建体制のなかにある以上、大小名の持つ富と権力の源泉は言うまでもなく所領なのだが、これまでの所領が煙のように霧消してしまう運命が迫っているだけに、彼等の全てが新たな所領を足摺りする想いで欲していることだけは確かだろう。

ところが、本来それを保障してくれる筈の皇帝陛下がこの世にないことが顕れてしまっている上に、今更スフランツェスに義理立てして働いて見たところで、得るものが無いばかりか悪くすれば命まで失ってしまうことが見えており、結局それを与えてくれる可能性を持つ者はオヤカタサマと皇女のみと言う事態を迎えてしまった。

オヤカタサマの直臣に取り立てていただくか、若しくは改めて皇女の臣下となって間接的にそれを手にするかの二つに一つと言うことになるのだが、オヤカタサマの立つ位置ははるかに遠く、そこに上るには特別の梯子が必要だろう。

状況から見てその梯子とは皇女を措いて他にないのだが、自分たちは形勢不利と見てとうに彼女を見捨ててしまっており、ご機嫌伺いにすら伺候しなくなって既に久しいのである。

事態が急変してしまったからと言って、今更手の平を返したように伺候するのも面映ゆい限りであり、そのためもあってカラヤニス城に入城して橋渡しを願っているのだが、思えば自分たちにとってのご主君は、皇女の父君ミカエル二十六世・パレオロゴス帝だった筈なのだ。

したがって皇女を押し立て帝位継承を実現させれば、続けて所領を頂戴することが可能となる道理ではあるが、そのためにも将来の「新帝」に対して今こそ功績をあげておくに如かず、文字通り彼等の「一所懸命」が剣が峰に立っている今、皇女の唯一の庇護者で外祖父でもあるカラヤニス卿に馳走しようとするのも当然のことであり、ステファノプロスはその代将である以上、言わば黄金の梯子だと言って良い。

客将の全てが一族の明日を賭けて欣然ステファノプロスの指揮下にあるのも当然の流れであり、雑兵まで含めればその兵力も百に迫りつつある今、ステファノプロスにして見れば後患の憂いを断って心置きなく奮戦するつもりなのだろうが、全て送り出してしまった今、既にその城内には女子供の影も無いのである。

自然、神域の方は大騒ぎだ。

王宮付近のカラヤニス邸から引き上げて来た者の中にも、その家族や使用人を大勢引き連れているケースが目立ち、結局カラヤニス家の家臣団だけでも二百を超えてしまっており、しかも総主教のもとに集まって来る者たちが引きも切らないのだから、ネリッサなどは、ヤサウェの許しを得てねじり鉢巻きでそれらの宿割りに忙しい。

宿割りと言っても無論例の巨大ポッドの中での話であり、殊にネオマ親子とマリレナには近侍する女たちのこともあって、十部屋もあろうかと言う極上のスィートが宛がわれ、そこに具わる設備の数々に途惑うケースも少なくないが、秋津州人を名乗る女性が各階毎に百人近くも待機していて、それらの器具類の使用法を懇切丁寧に伝授してくれるのだ。

何しろ、そこに具わる機器類が近代的なものばかりなのである。

当然見た事も聞いたことも無いものが多い。

IH方式の調理器具や空調設備、そしてエレベーターはもとより水洗便所一つとっても、その扱いには多くが援けを求めざるを得ず、秋津州人女性がきびきびと対応してそれに応えてはいるが、実を言えば彼女たちに与えられた真の役回りは防火及び出火時の機敏な対応にあり、そのための機器類の備えも万全と言って良い。

一方で聖職者たちにも別棟の中にそれなりの部屋が宛がわれつつあるが、彼等の請いによって神の馬場付近に特別扱いのポッド(丁型)が多数用意され、その建物をそれぞれ大聖堂や総主教の宮殿と為すべく企図し、皇女から莫大な寄進があったことを受けて実現の運びとなり、同時に政庁や帝室の宮殿の準備がなされ、それらの工事に携わる者だけでも二百人からの技術者が集まり始めていて、こここそが王宮であり、全地総主教庁であることを声高に語っているのだから、庶民に齎す影響には計り知れないものがあるだろう。

技術者の中には家族は勿論、大勢の徒弟を連れている者が多く見受けられ、それらの住居に宛てられたのは、付近の街からやって来る庶民たちと同様に神の馬場より更に南側のポッドの中に割り振られる例が多いが、とにもかくにも相当なローマ人が神域に足を踏み入れたことになるのだ。

未だに旧来の家に家族を残していて去就を決めかねている者も少なくないとは言いながら、少なくともリスク分散を念頭に様子を見にやって来る者が昨日だけでも万を越えていたことは確かだろう。

しかも、救出された総主教が健在であることが知れ渡っており、既に足慣らしを始めるまでに回復しているとされ、雨天の昨日などは老カラヤニスの介添えを受けながら、王家の里のポッドの中を散策する姿まであったほどだ。

ちなみに、王家の里の東と西にはそれぞれ二棟づつ、都合四棟の丙(ひのえ)型ポッドが巨大な姿を見せており、それらの住居用構造物は全て十層ものフロア構造を持ち、長さに至っては八百メートルにも及ぶのである。

幅員一つとっても四十メートルもあり、中央に幅七メートルほどの通路が東西方向に一直線に伸びて、その両側にたくさんのドアが並ぶ構造であり、勢いその通路の長さも八百メートルあることになるが、総主教はその長い通路を二度も往復したとされている。

その後己(つちのと)型(医療福祉用の小型ポッド)の中で行われた診断では、既に点滴も不要なほどの回復振りとのことで、その顔色もいたって良く、専用宮殿の準備が整い次第移り住む段取りに掛かっているほどで、少なくとも聖職者の全てを率いるに足る気力と体力を取り戻しつつあると言って良い。

更に老カラヤニスとの濃密な接触の中で、早急に皇女の即位と先帝の葬送の儀を執り行うべく合意が成っており、その延長線上に総主教の執政就任までが煮詰まりつつあるが、かなり粗雑な手法を採ることも已む無しとしているようだ。

なんにしても非常事態なのである。

過去の荘重な儀典とは比べるべくもないが、全ローマ人の避難を最優先とする以上、多少のことには目を瞑らざるを得ないのも当然のことではあったろう。

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  1. 2008/11/05(水) 16:46:51|
  2. 妄想小説 主権国家|
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  4. コメント:12
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コメント

\(^O^)/

じいじ~~~こんにちは~~~
メイクドラマなるか・・・
明日が楽しみ d=(^o^)=b
  1. 2008/11/07(金) 10:44:02 |
  2. URL |
  3. タンポポ #-
  4. [ 編集]

^_^

>タンポポ

うんうん、王手じゃ~~~。  o(^o^)o ワクワク
  1. 2008/11/07(金) 11:45:35 |
  2. URL |
  3. じいじ #-
  4. [ 編集]

コンニチハ...φ(・ω´・ @)
文字多いっすね 凹○
  1. 2008/11/08(土) 09:50:03 |
  2. URL |
  3. わさび #-
  4. [ 編集]

^_^

>わさび

うん、お絵かきは苦手なのじゃ。

何せ、「丹波」の世界地図を描くのに一年以上かかっちゃったくらいだから。

ところで、だれか絵の得意なヒト、挿絵を描いてくれないかしらん。  (⌒~⌒)ニンマリ

  1. 2008/11/08(土) 10:31:13 |
  2. URL |
  3. じいじ #-
  4. [ 編集]

じいじさん。。。残念でしたね^^;;



  1. 2008/11/10(月) 09:03:45 |
  2. URL |
  3. ハマー.。o○ #-
  4. [ 編集]

^_^

>西川口のアナゴさ~~ん

うん。。。。。。。。。。。。。。。。。。

でも、この敗戦は許せる範囲だ・・・・ と、思う。 (-。-*)ボソッ

        by 一巨人ファン
  1. 2008/11/10(月) 09:56:40 |
  2. URL |
  3. じいじ #-
  4. [ 編集]

┃電柱┃_ ̄) ジィー・・・・

じいじ おひさ~! 

巨人負けたので しょげてる?  残念でしたね。お悔やみ申し上げます ぶぶぶ
  1. 2008/11/10(月) 20:49:54 |
  2. URL |
  3. 小夜 オババ #-
  4. [ 編集]

( ̄_ ̄ i)タラー

>小夜

(¬д¬。) ジーーーッ  o( _ _ )oショボーン 
  1. 2008/11/10(月) 20:54:28 |
  2. URL |
  3. じいじ #-
  4. [ 編集]

ヘ( ̄∇ ̄ ヘ)),,,,,ソォーット

残念だったね^^;;

来年は優勝~~!

何処かな??(*≧m≦*)ププッ

じいじ 泣かないの^^
  1. 2008/11/11(火) 01:28:36 |
  2. URL |
  3. 名古屋嬢 #-
  4. [ 編集]

じいじさん見つけた❤

こんな所にいたの?
アメーバーブログに引っ越してこないの?
登録簡単だよ(*^_^*)
  1. 2008/11/11(火) 04:10:16 |
  2. URL |
  3. Riiko #8obDFBUg
  4. [ 編集]

^_^

>名古屋嬢

今回は敵の西武を素直にほめて置きます。

大したもんだ。。。。。   (⌒~⌒)ニンマリ 

原巨人もよくやった。 大逆転・・・・  感動した。 ヾ(@^(∞)^@)ノわはは
  1. 2008/11/11(火) 08:31:47 |
  2. URL |
  3. じいじ #-
  4. [ 編集]

^_^

>Riiko

うん、ずっと前からここにいたよ~~~~。

ところで、そのアメーバなんとかって面白いのか~~っ。  (*⌒д⌒*)アハ
  1. 2008/11/11(火) 08:34:13 |
  2. URL |
  3. じいじ #-
  4. [ 編集]

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