日本大好きじいさんの落書き帳

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自立国家の建設 113

 ◆ 目次ページに戻る

八月十日、海都のタイラーは、無情にも早朝からたたき起こされてしまった。

電話の相手は他ならぬダイアンであり、話があるから内務省最上階まで即刻出向いて来いと言う。

どうやら、すこぶるご機嫌斜めのようで、始めから否も応も無いのである。

一応「お手すきでしたら、お出でをお待ちしております。」と言う言い方だが、結局直ぐ来いと言う意味であることに違いは無い。

何せ相手は、個人的にも因縁浅からぬ同胞であるばかりか、前回も彼女の強引とも思える手助けによって劇的に救済されたばかりであり、彼女の持つ特殊な人脈から言っても、無視してしまうなど出来ることでは無い。

駐秋代表部の責任者としては、取るものもとりあえず内務省に車を走らせ、五階の一室で向かい合うほかは無かった。

それに、たまたま今日は月曜日だ。

王宮の主(あるじ)が惑星間移動に掛かりきりで、今日一杯お留守なのがせめてもの救いだが、それでも強(したた)かに緊張せざるを得ないのである。

彼女の幼な子は別室でメアリーが相手をしているのだろうが、部屋にはほかの者の姿は無く、まったくの二人きりで、要するに準備万端整えて今や遅しと待ち構えていたに違いない。

いきなり用意のノートパソコンを操作して、そこに映し出される動画映像を見るよう促すのだ。

経緯から見てよほど重大なものであることは確かで、黙ってモニタに向かい合ったのだが、その中で交わされている会話は全て流暢な英語ばかりであり、押さえ気味の音量ではあっても十分聞き取ることが出来たのである。

実に暗い気持ちだ。

見る前から悪い予感がしてはいたのだが、見て行くに従い、それが恐ろしいほどに的中していたことを知った。

やはりそれは、我が国政府の一機関があの子の両親を謀殺したことを確実に窺わせるものだったのである。

そのことを指示した者は勿論、直接手を下した実行犯や殺害の現場まで明瞭に映し出されてしまっており、五分も経たないうちに、見るに耐えない気分にさせられてしまったほどだ。

まして、その映像は殺人の謀議が行われたところから始まっており、それはその謀議以前から完璧にキャッチされてしまっていたことを物語っている。

そのことが含んでいる国防上のあれこれも決して小さなものでは無いのだが、百歩譲ってそのことはさておくにしても、やはりと言うべきか、かつて密かに推測していた通りのことが行われていたのである。

しかしまあ、何と言う短絡的なことをしてくれたものだ。

ここまでやるとは、もう狂っているとしか言いようが無いだろう。

相手は自国の一市民なのだ。

冷めたコーヒーを口に含み、苦い思いを味わいながら改めて正面を見ると、ミセス・オカベの目はきらきらと輝き憤りに燃えているように思えた。

「ご意見を伺いましょう。」

切り口上で詰問して来る。

「非常に残念なことだ。」

「それだけですか?」

いい加減な返答など許すまじき口調である。

「勿論、あってはならないことだ。」

「と言うことは、ご存知なかったと仰る?」

「知ってれば止めてたさ。」

「本当でしょうね?」

ダイアンの美しい顔がわずかに緩んだようだ。

「止められたかどうかまでは疑問だがな。」

「でも、ここまでやりますか?相手は善良な米国市民なんですよ。」

まして今回の相手は、ダイアンと同じイングランド系のれっきとしたアングロサクソンなのである。

これが、もしヒスパニック系のやつ等が相手だったりしたら、この女もきっとここまで怒ることは無いだろう。

「私なら、両親を必死に説得して、それでも納得を得られなかったら諦めてるだろうな。」

「それに、この場合、ご両親は娘を陛下に対面させることは了承してるようですわね。」

現に、その映像の中の両親は、娘を「世界の王」に会わせることに関しては、かなり積極的な姿勢すら見せており、少なくとも消極的だったとするにはその傍証すら見つからないのだ。

両親は両親なりに、そのことを一家の幸運に結びつけて考えていたことは確かなのだろう。

無論、「そのこと」とは、「世界の王」の外戚になり得ると言う可能性であり、それが目も眩むような輝く未来を想起させたであろうことも想像に難くない。

この映像を見た今は、タイラーにもその構図が手に取るように判るのである。

「しかし、これを見ると途中から国家機関の介入を強硬に拒んでいるな。」

「だから、邪魔になったと言うわけですか?」

「そのようだな。」

「絶対に許せませんわ。」

「許せないからと言ってどうするつもりだ?」

「このデータをメディアに渡します。」

「ふふん。」

今、ワシントンを壊乱させても、ニューヨーク発の恐慌列車が全て発車してしまうだけのことであり、この大コーギルの後継者がそこまで愚かな筈は無い。

「ワシントンの手の届かないところにも大量に流すつもりよ。」

「祖国を裏切る気か?」

「裏切ったのは祖国のほうでしょう。いくらなんでも、国の都合で両親を殺しちゃうなんてあんまりだわ。」

「ちょっと待てよ。」

「いやよ。」

「要求は何だ?」

「要求なんか無いわ。」

「しかし、暴露したら、合衆国の一般市民の方が困ることになるんだぜ。」

「一番困るのはワシントンでしょ。」

「いくらなんでも、避難移住に目鼻がつくまではまずいだろう。」

「これってどのレベルまで関与してるのかしら。まさかプレジデントは関与してないわよね。」

「恐らく、CIA長官も知らんだろう。」

「だったら、現場の責任者と実行者を告発すべきね。」

「どう弁解しようと、世論は大統領閣下を許さんだろう。」

「当然でしょうね。」

「せっかく特別立法で大統領選の簡略化が計られたと言うのに、何もかも吹っ飛ぶことになる。」

特別立法に則って、粛々と大統領選の「手順」が進んでいるところなのである。

「再選確実らしいわね。」

現職有利は最早動かないと言われているのだ。

「時期が時期だ、当然そうあるべきだ。」

本土決戦を迫られる以上の混乱期なのであり、政治的空白など決して生じさせてはならない筈だ。

「だからと言って、許されないことがある筈よ。」

「同感だよ。だが、既に起きてしまったことだ。」

「過ちは過ちよ。」

「残念だが、起きてしまったものは今さら元に戻すことは出来ない。」

「ローズ本人には何の罪も無いのよ。」

「うん。」

「せめて本人には、政府が事情を説明して正式に詫びるべきだわ。」

国家の安全保障のなにものかを幼い市民に説明する必要性を否定する気は無いが、説明したからと言って、両親の死の必然性を補強し得るとも思えない。

「難しいな。」

「プレジデントが直接詫びるべきよ。」

「それは出来ん。」

出来るわけも無い。

「じゃ、せめてCIA長官が辞職して謝罪しなさいよ。」

「それも無理だろうな。」

「ワシントンには幻滅したわ。」

眼前の美女は冷然と突き放して来るが、その面差しは問題の少女のものに似ていなくも無いのである。

「みんな、国家を救おうと必死なんだよ。」

「目的さえ正しければ何をしても良いって言うの?」

「いや、そうは言っておらん。」

「でも、行動で示しちゃってるじゃないの。」

「それより、国王陛下はどう仰ってるんだ?」

「この件では、未だお話してませんが、ひたすら娘が可哀そうだと仰ってるそうよ。」

「それだけか?」

「陛下のご一族は、大昔に国を逐われたことがおありなのよ。」

「知ってるよ。」

「だから、誰よりもその辛さをご存知だわ。」

「それは判るよ。」

「それで、本人が知ったら、とても苦しむのではないかと仰って、そのことばかり心配してらっしゃるそうよ。」

「ふうむ。」

「何よりも大切なのは、本人の幸せなのだと仰ったらしいわ。」

「済まん。」

実際それを言われるのが一番辛い。

「だから、これ以上あの子を不幸にしないで。」

「判った。」

「もう、自由にしてやってくれるわね?」

「已むを得んだろうな。」

「今後、あの子に手を出したらこちらにも覚悟がありますから。」

無論、このアメリカ人は、問題の映像記録に最大の威力を発揮させるつもりでいるのだろうが、肝心要の魔王本人は、例によって他国の内政に容喙するつもりは無いと見た。

「本人には会ったのか?」

「いま、隣の部屋で聞いてるわ。」

「そうか。」

「驚かないのね。」

「うん、そんな気がしてたよ。」

戦士が早朝から単身王宮に入ったとの報告も受けているが、そのときにも専任教官どもがコントロールがきかなくなったと言って嘆いていたことから見ても、「荒野の薔薇作戦」が新たな局面を迎えつつあることだけは確かだろう。

「とにかく、ワシントンの政治姿勢の何たるかを、本人に認識させておくことが一番大切なのよ。」

だが、それを認識すれば、少女の国家への帰属意識は確実に失われてしまうだろう。

「しかし、陛下はそうは仰ってないんだろう?」

「事実を知ったら、娘が苦しむだろうと言ってお悩みだそうですわ。」

「私ですらショックを受けたほどだからなあ。」

そのとき、遠慮がちにドアがノックされ、娘本人がひっそりと顔を出した。

目に一杯涙を溜めて、恨めしそうにこっちを見ている。

目を合わすのが辛い。

その子は、タイラーにとっても大切な同胞には違いないのである。

無論少女に公式に詫びることもままならず、大統領特別補佐官は暗い気持ちのままオフィスに戻るほかは無く、取り急ぎワシントンに急報はしたものの当然心が晴れることは無かった。

あのアングロサクソンの名花が、本心から哀れでたまらなかったのだ。

しかし、自分の力ではどうしてやりようもない。

それに、貴重な戦士が鳥かごを離れ、大空に飛び立ってしまったことも事実だ。

戦士の私物などは、とうにダイアンの手のものが持ち去ってしまっており、戦士自身は今後大コーギル社の囲いの中でその翼を休めることになるのだろう。

戦士が今後その手持ちカードの一つになることは必至であり、結局のところ、ダイアンの真の要求がこれだったことになる。

それに、あの記録映像の出所は土竜庵だろうから、その公表についても、どうせワシントンの力では制御不能であり、これ以上彼女に懇願したところでほとんど無意味だろう。

しかも、戦士を篭から解放してやるよりほかに途(みち)が無くなった今、「荒野の薔薇作戦」は、その作戦目標を、アングロサクソン系の世継ぎの誕生と言う二次的なものに切り替えざるを得なくなったのだ。

その成功のためには、当然、陰に陽に側面からの支援を絶やさぬよう充分に配慮すべきであり、自分の職務から言って、それを新たな基本方針として徹底しなければならない。

やがてワシントンでは大統領閣下が激怒したと伝えられ、十数人の関係者がひっそりと処分されるようだが、かと言ってあの子の両親はあくまで事故死扱いのままだ。

しかし、我が国にとって、アングロサクソンの美しい薔薇は大いなる希望の星なのである。

この「荒野の薔薇」が今後益々美しく咲き誇ってくれるのを望んでいるのは、何も自分だけに限らない。

大統領閣下といえども全く同様だと信じて疑わなかったのだ。


時計が回ってその針は深夜の零時を回っており、日付は既に十一日である。

王はその任務を終えて海都に帰着し、折りしも居間のソファで田中盛重と差し向かいで夜食を摂っているところだ。

無論、傍らで秘書官と親衛隊長が謹直な姿を見せているが、既に両名とも、天空のおふくろさまとの間でデータの同期作業を完了させたことだろう。

その作業に要した時間は、恐らくほんの数秒だったに違いない。

その意味では人間など不自由なものだ。

マシンと違って、大量のデータを一瞬で交換し合うことなど出来ることでは無いのである。

だがマシンには、この出汁(だし)の利いた味噌汁の味は到底判るまい。

昨今は新田夫人やプロジェクトAの女性たちが作ってくれていると聞くが、今日の出汁はかつおらしく、これがまた実に旨いのだ。

目の前で勢い良く味噌汁をすする友人を眺めながら、改めて今日を振り返った。

思えば、新田氏が組んでくれる作業シフトは優れて効率的であり、今日の二十四時間で百六十カ国もの多くから多様の「貨物」を搬送出来たほどだ。

しかも、各国の関連作業がいよいよ本格化して来ていることもあって、今日一日で二億人以上も丹波に送った計算になると言う。

合衆国などでは今日も大量の畜類がアクセスポイントに集められていたが、無論他の諸国家でもさまざまの動植物の移送を準備中であり、来週あたりからは人間以外の生き物の移送がますます本格化するに違いない。

中露などは最初から詰め込み主義一辺倒であり、かなり乱暴な移送振りが目につくが、それはそれでそれなりの事情があってのことなのだろう。

EU諸国の移送作業はそこそこ順調で、丹波現地の受け入れ態勢作りも猛然と進んでおり、密かに案じていたアフリカ方面の移送作業が思ったより順調に来ているが、一方でインドや中央アジアあたりの作業がここに来て幾分停滞気味なのが気にかかる。

なにごとにより、全てが万々歳とは行かないものだ。

我が日本でもガンマ線対処法が強力に機能し、打ち出された移送計画がいよいよ実効性を帯びて来ており、既に独居老人や入院患者の移送が完了し、敷島に派遣した医療部隊が大車輪でその責めを果たしつつある。

国井・相葉・新田・岡部のラインが心血を注いでいるとは言いながら、無論神ならぬ身である以上、全ての問題をクリアー出来るわけでは無いだろう。

その激務に追われ、官房長官などは戦線離脱して入院してしまったほどで、国井総理は急遽若手から安田啓一氏を起用し、新たな官房長官に据えてことに臨む方針だと聞いた。

ブルドッグと渾名される安田氏はその名の通り抜群の体力を誇り、新田氏や岡部氏とも剣道を通じて古馴染みであり、しかも国家警務隊(秋桜隊)の鹿島司令官とは防大の同期だ。

安田氏は秋津州対策室長も兼務することになるが、岡部氏との相性もぴったりだと聞いており、新田氏の表現にもあったが全てにわたって総理苦心の人事だと思う。

いずれにしても、国家が臨戦態勢に入ったことになり、明朝などは、その対応でさぞかし大騒動だろう。

既に列島の空は不穏な空気に覆われており、秋桜隊が全国隅々にまで目を光らせながら、特に警察と消防活動に意を注ぎ、救急救命に関しても優れた効果を発揮している筈なのだ。

鹿島先生があの神のような人格を以て統御してらっしゃる限り、その備えは万全だとは思うが、このご時世のことだ、いつなんどき不測の事態が起きてしまっても不思議は無い。

自分が不在の場合の対処法も一応お京に命じてはあるが、実際不確定要素が多過ぎて、日本列島に何が起きてしまうか予想もつかない。

丹波の気候変動は地球のそれと合致しており、敷島のある北半球は同じく今が真夏なのだが、混乱の中で一人の凍死者も出さないためにも、何とか寒くならない内に目鼻をつけてもらいたいものだ。

現実に地球脱出騒動が始まってしまった以上、厳寒期が到来する前に収束させたいが、片や、南半球の一部などは今が厳寒期で同じようにはいかないのである。

丹波の経済市場の育成にも当然留意しているが、東京は勿論、ニューヨークやロンドンなどに比定し得るほどのマーケットが、既にその萌芽を見せており、先行中の大和文化圏のマーケットと盛んに結び始めていることは大きな収穫だ。

丹波への移住が奔流のように進んでいる今、その市場が爆発的な拡大傾向を辿ることは間違いない筈で、その点での心配は先ず杞憂だろう。

とつおいつ思いを巡らしながら食後のお茶を口にした矢先に、東京のお京から通信が入ったのである。

この通信で、あの少女の今日に関する報告を初めて聞くことになって驚いたが、既に少女自身は与えられた部屋で休んでいると言う。

先日横山親子等に宛がったものと同等の部屋のことでもあり、少女の仮住まいとしては充分ではあろうが、それにしても心細い思いをさせてしまったものだ。

「昼間何度も地球に戻っていたに、何故報告しなかった?」

王の言葉は僅かに怒気を含んでいたであろう。

「申し訳もございません。」

女帝にして見れば、ことの進行中に中止を命ぜられてしまえば全てが終わってしまいかねず、ダイアンの激しい憤りを利して、ひたすら実績を作ってしまいたかったまでのことなのだ。

「話してしまったものは仕方が無いが、本人の様子はどうか?」

ダイアンにしても当然主体的に動いたのだろうから、その行動を自分が制御しようとしても、それこそ変な話になってしまう。

「どうやら、泣き寝入りに眠ってしまわれたご様子でございます。」

「身の回りの品々で不自由はあるまいな?」

「そこに抜かりはございません。」

「タイラーが諦めたことは確かなのだな?」

「彼女の手荷物などの搬出についても、一切クレームは出ておりませんから。」

「ダイアンの方はそれで納得したのか?」

報告によると、タイラーを相当に脅しあげたことは確かのようだ。

「とりあえず、窮鳥を救い出せればそれでよしとお考えのようでございました。」

「さようか。」

「あ、ただいま、ヒューイットさまお出でのようでございます。」

「なに?」

どうせお京の配下が、戻ったことをわざわざ伝えたのであろう。

ドアが開き、目を泣き腫らした少女が姿を見せ、こっちの姿を見るや人目も憚らず矢庭に駆け寄って来た。

がっしりと受け止めてやりはしたが、祖国の裏切りを知り、一層心細さが募るのだろう。

胸に縋り付くようにして身も世も無く泣きじゃくるのだ。

その哀しみが判るだけに、こっちの胸まで締め付けられるような想いがする。

向かい側の田中盛重がそっと座を外して行き、お京から命ぜられたのだろう、迫水どころか甚三まで出て行ってしまった。

ソファに座ったまま横抱きに抱きとめ、黙ってその背中を撫ぜてやるほかは無いが、哀れな窮鳥はなかなか泣き止もうとしないのだ。

勃然と保護欲が沸き上がって来るのを覚える。

悪い癖なのだ。

虐げられた弱者を見てしまうときなど、一族の過去を想い、際限も無く庇護してやりたくなってしまう。

だからこそ、お京が、その弱点を見事に突いてくるのだ。

胸の中でその典型例が、今艶やかなブロンドを波打たせながら哭いている。

この娘も、国家と言うモノに親を奪われ、いまや行き場を失って心がさ迷ってしまっているのだろう。

この私に頼りきって、全てを委ねているのだ。

抱きしめて、凍えた心を少しでも暖めてやりたい。

暫くしてようやく嗚咽が已んだと見て、「よしよし、辛かったろうなあ。わしがついておる、もう何も心配することは無いのだ。」と言ってやるとこくりと頷く。

実に愛らしい。

しかし、いつまでもそうしているわけにも行かず、意外に持ち重りのする娘を軽々と抱き上げたまま、通信を用いて迫水を呼んで部屋まで案内させた。

長い回廊を両手に抱いたまま進み、幾分身を硬くしている娘をベッドに寝かせ、一声掛けただけで自室に引き取ったが、未だ子供だと思っていたものが、驚くほど成熟した女体の感触を手に残してしまい、それが意地悪く亡き妻の感触を思い出させ、なかなか寝付けなかったことは事実だ。

流石のお京もそれ以上のことは言って来なかったが、翌朝目覚めてからがまたうるさかろう。


一方、娘の方はたっぷりと熟睡した。

目覚めてカーテンを開けると、もう陽は高かったが、周囲は不気味なほどの静寂に包まれていて本当ならとても心細い筈なのに、何故かとても安心な気がするのである。

南向きの窓を開けようと思ったら、分厚い窓ガラスが嵌め殺しになっていてびくともしない。

頑丈な防弾ガラスになってるのかもしれないけど、窓から外気を取り入れることは出来ないのだ。

でも、かなり大き目の通風孔から冷気が送られて来てるみたいで、真夏ではあってもとても居心地がいいところを見ると、ちゃんと除湿も効いてるようだ。

窓越しに大きな秋津州ビルを眺めているうちに、ぼんやりとしていた頭が、段々すっきりとして来る。

そうだ、ここはあの方が統治してらっしゃる超大国秋津州の王宮の中なのだ。

身づくろいを済ませてからインターフォンを取り上げると、すぐにノックがあって、迫水さんよりかなり年上の女性が来て下さったが、それがあの有名な秋元五姉妹の一番下の妹さんで雅さんと仰る方だった。

迫水さんの代わりだと仰って、何くれと無く世話をやいて下さるのだ。

改めて案内してもらったけど、その部屋には小さいけどキッチンまで備わり、冷蔵庫、炊飯器、レンジ、IHヒーターとそれにマッチした調理器具は勿論、驚いたことに洗濯機や掃除機まで揃っている。

お風呂も和風のものがついていて、ちょっと戸惑っていたら、雅さんはその扱い方などを丁寧に教えてくれてから、とても淑やかに引き取って行った。

しばらく耳を澄ましてみたけど、彼女の足音が直ぐに聞こえなくなったところを見ると、全館がよほど防音効果が効いているに違いない。

周り中、ほんとに人の動く気配すらしないのだ。

本当なら、宮廷の女官やら官僚やらが大勢詰めてる筈なのに、まったくその気配も無いのである。

そう言えば、秋津州の宮廷はその内部構成がほとんど謎だらけだって聞いてたけど、それにしたって衛兵の姿すら見掛けないし、ほんとにどうやって運営されているのだろう。

それに、陛下の秘書官は、迫水さんのほかにもう一人吉川さんて言う女性がいるって聞いてたけど、未だに一度も顔を合わせてはいないのだ。

前は日本に常駐してたって聞いたけど、そうすると今でもそうなのかしら。

以前は、いつも三人の侍女がついてたって言うけど、今はお国に帰ってお嫁入りの準備中だと聞いてるし、その方たちも皆さんとても美しい方ばかりで、一時メディアで相当話題になったほどらしく、その辺だけは小さい頃にテレビで見た記憶がうっすら残っている。

レポーターなんかは、秋津州は特別に美しい娘さんが多いのではないかと言う口振りだったけど、本当のところはどうなんだろう。

それに、その娘さんたちは皆さん、陛下の赤ちゃんを産みたいと願って宮廷にお入りになったのに、未だに誰一人望みが叶わないって聞いた。

迫水さんなんかも、その内の一人なんだろうけど、そうだとしたら私のことをどう思ってらっしゃるのだろう。

一言で言ってライバルなのだから、本当は意地悪されるのが普通なのに、そんな気配は全然無くて、逆に応援してくれてる気さえするのだ。

ひょっとしたら、誰でも良いから陛下の赤ちゃんを生んでくれさえすれば、それでいいと思ってらっしゃるのかしら。

考えてみたら、とっても不思議な気がする。

テレビをつけたら、NBSのチャンネルでニュースを流していたけど、合衆国では相当の人が移住しちゃったらしくて、もう半分も残ってないって言っていた。

牧場で飼ってた牛なんかも、来週中にはほとんど運び終えちゃうみたいだし、中には早めにお肉にして大型の冷蔵庫に入れたまま運ぶケースも増えてるらしい。

野生動物も何種類か捕獲して移送する計画もあるって言ってるけど、その前に肝心のアメリカ市民をちゃんと移送出来るのかしら。

試しに、日本のチャンネルも見てみたけど、日本の場合移住がもっと進んでいて、もう七十パーセントぐらいが移住しちゃったらしいし、日本政府も丁度今盛んに移動の作業中らしい。

それに、実質的な戒厳令が布かれてるって言ってるし、それも全国規模だって言うから、相当大変なことになってるみたいだ。

日本のあっちこっちに大勢駐留していた米軍部隊なんか、とっくに引き上げちゃったって言うし、滞在していた外国人たちも民間の人はほとんど出国したらしい。

中には日本で生まれて育った外国人もたくさんいたらしいけど、その人たちは日本のアクセスポイントには入れないため、日本にいても丹波へ移住することは出来ないから、当然みんな帰国して行ったと言う。

結局、世界各国が海外から自国民を呼び戻して盛んに丹波に送っていて、イギリスなんかも、六十五パーセントぐらいが丹波に上陸済みで、今では海軍の艦船まで送り始めているらしい。

その上、評論家の中には、もうじき地球上の銀行の操業を停止させて、一斉に丹波に移動させるのではないかって言ってるけど、実際は殆どの銀行がとっくに店仕舞いしちゃってるじゃないの。

いろいろ考えながらシャワーを浴びて、改めて鏡を見てみると、未だ相当顔が腫れぼったい。

いやだわ、やっぱり夕べは、甘ったれてべそを掻き過ぎちゃったみたいだ。

だって、あの方に抱かれてると、それだけでとっても安心なんだもの。

もう一度秋元さんに来てもらうと、ちゃんと朝のお茶がついて来て、まるでホテルのルームサービスみたいだ。

陛下はもうお出かけになられたあとだと聞いて、この顔を見せずに済んで内心ほっとしている自分がそこにいる。

そう言えば夕べは確かに、「わしがついておるから、もう何も心配することは無い。」と言ってくれた筈だし、あれは絶対夢なんかじゃないのだ。

そして、この部屋まで抱いて来てくれてベッドに運ばれたときは、ちょっとだけ、びっくりしたけれど、それはそれでちゃんと覚悟は出来ていたつもりだった。

クラスメイトの子はほとんどが十八歳になってるくらいだから、その子たちの会話から耳学問だけは充分にして来ているし、女性教官たちも折りに触れてそのことを教えてくれていた。

彼女たちの場合なんか、最初から私があの方の赤ちゃんを産むことを前提にしていたみたいで、もう全部そう決まってるような口振りだったけれど、実際に自分自身がそう思えたのは、やっぱりあのピクニックに連れてってもらってからなのだ。

転びそうになって抱きとめてくれたときなんか、恥ずかしいこともあったけど、とても嬉しくて、わくわくして、きっとこの人の赤ちゃんを産むことになるに違いないと感じたのだ。

だから、ベッドまで運んでもらったときは、やっと来るべきものが来たんだと思ったのに、あの方は「ゆっくりお休み。」と言っただけで、あっさりとお帰りになってしまわれて、そのあと、何か物足りないような、侘しいような、そんな妙な気分でいるうちに知らず知らずに眠ってしまっていた。

せめてキスぐらい、せがんで見れば良かったかしら。

そうすれば、もっと安心して眠れた筈なのだ。

それに、秋元さんは陛下から言われてるからと言って、お小遣いを二千円も置いて行ってくれたから、あとでお買い物に行って来ようかしら。

最近の秋津州円はとても高いらしいから、二千円ならきっと一万ドル以上だろうし、大抵のものなら軽く買えちゃう筈なのだ。

通学してた頃新しく作ってもらったカードは、卒業する前の時点で使えなくなっちゃったし、聞いたらお友達の家の場合もみんなそうだったらしい。

第一、銀行がちゃんと動いてないって言ってたから、それも無理は無いんだって話だった。

秋元さんの話では、少なくとも秋津州の加茂川銀行だけは未だ大丈夫らしくて、丹波でもそのまま使えるカードを作ってくれるって言ってたけど、カードがあっても口座にお金が入ってなかったら、やっぱり使えないものね。

私ってそんな顔してたのかしら、陛下のお名前の口座ですから、ご心配には及びませんって言われちゃった。

その点、陛下は私の保護者なんだって仰ってたし、おまけにダイアンお姉さんまでお小遣いをくれるって言って下さったけど、お会いしたばかりなのにそんなこと出来ないわ。

それにしても、昨日のお姉さんの迫力にはほんとにびっくりさせられた。

言われた通り、隣の部屋からイヤホン付きのモニタで、あのやり取りをずっと見て聞いていたのだ。

あの怖いタイラー補佐官が最後まで押されっ放しだったけど、結局、両親が政府の命令で殺されちゃったって言う話だけは本当らしいし、また哀しいことを思い出しちゃったわ。

両親だってきっと天国で悲しんでるに違いないと思うと、哀しくて切なくて、ぽろぽろぽろぽろ涙が出てきて止まらないのだ。

二人共未だ三十代で何にも悪いことなんかしてないのに、いきなり天国に召されちゃうだなんて、私だって信じられないくらいだったんだもの。

今だって信じたくはないけれど、お葬式もちゃんと挙げたんだし本当に天国に行っちゃったのだ。

私が陛下の初恋の人にそっくりだったからこうなっちゃったらしいけど、だからと言って、何も殺すことは無いじゃないの。

考えれば考えるほど口惜しさがこみ上げて来て、祖国は両親の仇だと思うと、いつかきっと復讐してやりたい気にさえなってくる。

どこかに、命令した人も命令された人もいる筈なんだから、陛下に頼んで捕まえてもらえないかしら。

タイラー補佐官も全然知らなかったみたいだし、どうやら大統領も知らないみたいな話だったけど、いったいどのくらい偉い人が関わっているのだろう。

ダイアンお姉さんも詳しいことは判らないって言ってたくらいだから、やっぱりあの映像だけじゃ、犯人を突き止めるのは無理なのかしら。

犯人が判らなけりゃ、いくら陛下だってどうしようもないだろうし、とにかく一度ゆっくり話を聞いてもらうことにしよう。

ダイアンお姉さんも言ってたけど、陛下は、一番大事なのは私自身の幸せなんだって仰ってるくらいなんだし、私が言えばきっと聞いて下さる筈なのだ。

びっくりするくらい大きくて、その上とても豪華なあのお姉さんが、有名なコーギル社のオーナーだってことは聞いてたけど、何でも、ずいぶん前から陛下とはお友達だったらしくて、昨日の朝突然私を訪ねていらしたのだ。

ちょっと驚いちゃったけど、東京政府にいる旦那さまから私のことを聞いて、いても立ってもいられなくて、わざわざ東京から飛んで来てくれたみたい。

とにかく今度のことでは本気になって怒ってらしたみたいで、その上ボディガードが二人も付いていて、最初はちょっと怖いような感じがしたけど、私にはとても優しくしてくれた。

タイラー補佐官が帰ったあと、遅い朝食の膳についたけどほとんど食べられずにしょんぼりしていたら、辛抱強く慰めてくれて、そのあといろいろ希望を聞かれたけど、正直言ってどうしていいか自分でも判らないのだ。

大二郎ちゃんも一度抱かせてもらったら、けっこう懐いてくれてたし、そのせいか、私さえ良ければ、お姉さんのところで引き取ってくれるって言われたけど、出来たら陛下のお傍を離れたくないって答えておいた。

ダイアンお姉さんはとっても優しい目をして、何度も何度も「うんうん。」と頷いてくれてたし、これで、最悪でもあの家庭教師たちからは解放されたみたいだから、今日からは、陛下の仰ることを聞いていさえすればいいのだ。

お姉さんは何か困ったことがあったら、何でも言って来なさいって言ってくれるけど、もう専用のお部屋までいただいちゃったんだもの、何もかもあの方に相談してからのことにしよう。

何しろ世界の王さまなんだから、めちゃめちゃ忙しいって聞いてるし、今日は、いったい何時ごろお戻りなのだろう。

さっきのニュースでも、今朝も早いうちから東京政府の方々とご一緒に、何度も丹波へ飛んでらっしゃるみたいだし、お帰りは相当遅いのかしら。

試しにインターフォンを取り上げてみたら、秋元さんが食事の用意をしてくれると仰るので、今後のことも考えて丁度良いと思ったから、キッチンに案内してもらって、自分でいろいろ試して見ることにしたのである。

何故か秋元さんは大喜びで手助けしてくれて、何でも揃えて下さるし、聞いてみたら、あの方の料理を作ってくれる人を募集してる最中だったらしい。

私がいるのに募集なんか止めて下さいって言ったら、にこにこしながら「承知しました。」って仰ったのにはちょっとびっくりさせられたけど、とにかく私に対してすごく丁重な応対をなさるのだ。

その点迫水さんと同じで、まるでおとぎ話に出て来る王女さまみたいに扱われて、ちょっと照れくさいくらいだった。

家庭教師役の人たちから教わった話では、秋元さんたちご姉妹は日本人で、皆さん優良企業の経営をしてらっしゃる上、あの方のご家族のような存在だって聞いてたから、何でそんなに丁重に扱ってくれるのか少し不思議な気はした。

特に一番上のお姉さまの京子さまは、東京政府だけじゃなくて宮廷内でもかなりの影響力をお持ちのようで、中には秋津州の女帝と呼ぶ人までいるらしい。

それに、一番要注意なのは立川みどりと言う人で、実際この人に逆らったら陛下のお傍にはいられなくなっちゃうって言うくらいだから、よほど気をつけなくちゃいけないのだろう。

とにかく、あの方の家庭内のことでは、その立川さんの仰ることには、絶対に逆らっちゃいけないって言われたほどなのだ。

ビデオ映像では優しそうな人に見えたけど、実際はとても怖いおばさんに違いない。

男の人では、秋津州の執政官と呼ばれてる新田さんも要注意だって言われてるけど、録画映像では、とてもそんな怖い人には見えなかった。

怖いから絶対ステイツにだけは帰りたくないし、もうどこにも行きたくは無いのだから、周りの人たちに嫌われないようにしなくちゃいけないのだ。

ちょっとびくびくしながら入った陛下のキッチンは、想像してたよりずっと広くて立派なものだった。

一人でお料理するには広過ぎる気がしたほどだ。

当然なんだろうけど、冷蔵庫にしてもそのほかのキッチン用品にしても、一通りのものは全部揃ってるし、あとは家庭教師のおばさんたちに教えられた通りにすればいいだけだ。

そう言えば、ここ半年の共同生活でかなりの和食メニューを教えてもらっていて、これだけは本当にラッキーだったと思う。

最初中途半端なメニューを手がけて大失敗しちゃったけど、秋元さんが終始にこにこと、「食材のロスなどお気になさらず、何でも自由になさってよろしいのですよ。」と言ってくれるので、相当思いきったテストもやってみたのである。

その上、作るそばからワゴンに乗せてどこかに運んで行くので、廊下に出て見ていたら、直ぐそばまで別の女の人が受け取りに来ていた。

どうやら、実際に食べてくれる人もどこかにいるみたいなのだ。

出来たらお味の方の感想も聞いてみたいと言ったら、そのあとで新田さんの奥さんの菜穂子さんが来て下さって、いろいろアドバイスして下さった上、新しいメニューを幾つも教えてもらえてとても嬉しかった。

大二郎ちゃんより一日だけお兄ちゃんの源太郎ちゃんは、お母さんに似てとても可愛いらしい顔立ちの赤ちゃんで、私もこんな赤ちゃんが欲しいなってつくづく思ってしまったほどだ。

源太郎ちゃんを抱かせてもらいながら、菜穂子さんにいろいろなことを教わったけど、この方はお料理の天才みたいで、その上とても優しくしてくれて、心からお礼を言わせていただきました。

同じ階のずっと西側にある土竜庵と言う場所に住んでらっしゃるそうで、一度遊びにいらっしゃいって言ってくれたけど、回廊が途中で入り組んでるみたいで、うっかりすると同じ階でも迷子になっちゃうかも知れない。

菜穂子さんとはけっこう気軽に話が出来て、陛下のご家族が遭難した当日のこともいろいろ聞かせていただいたけど、何しろ菜穂子さんは、あまりのショックでその場で卒倒しちゃったらしくって、旦那さまからあとで聞いた話では、あの陛下が目を真っ赤にしてほとんど口をおききになれなかったと言うのだ。

赤ちゃんと奥さまとそのご両親まで一遍に亡くされるなんて、きっと私のとき以上にお辛かったことでしょう。

それに、つい最近まで赤ちゃんと奥さまのお骨をロケットに入れて下げていらしたと聞いたら、とたんに涙が出て来て困っちゃったけど、結局陛下は、ご家族をそれほどまでに愛してらしたに違いない。

ご自身もきっとお寂しいに違いないのだから、これからは私がお側にいて、いろいろ気をつけて差し上げないといけないと思う。

出来たら、その奥さまの代わりにもなって、お寂しい想いを少しでもお慰めしたいし、そのためにも、お料理の腕を磨いて美味しいものをお出ししたいのだ。

陛下のお好きな味噌汁の出汁取りだけはとてもうまくいったらしくて、結構評判が良かったので少しだけ自信を持っちゃった。

結局この日は、ただひたすらメニューを考えながらいろいろ作ってるだけで楽しい時を過ごし、その間、自分自身はトーストとベーコンエッグを食べただけで、まるまる一日が終わってしまった。

ほんとは忙しい筈の秋元さんが、その間も絶えず身近にいてあれこれ心を配ってくれて、私の望む食材は、使いを走らせてまで何でも揃えてくれる勢いなのだ。

その内、知らない男の人が大型の冷蔵庫まで運び入れてくれて、明日からは食材が足りなくなることは無さそうだから、かなり本格的なお料理にも挑戦してみよう。

そう言ったら秋元さんがとても喜んでくれて、この分じゃ、あの方の専属料理人を欲しがってるって話だって満更嘘じゃなかったみたい。

だったら益々お料理の腕を上げておかなくちゃ、専属の料理人が来ちゃうじゃないの。

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  1. 2007/11/11(日) 13:37:43|
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