日本大好きじいさんの落書き帳

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

自立国家の建設 131

 ◆ 目次ページに戻る

どれほどの時間(とき)が流れたろう、気配を感じてうっすらと意識が蘇ってきた。

つい今しがたの夢の中では、むせび泣きながらしがみついて来る女体を実に放恣に弄んでいるおのれの姿があり、その感触がまざまざとこの手に蘇って来るばかりか、おのれの下半身は猛々しく雄叫びをあげてしまっており、浅ましくも薄手の上掛けを突き上げんばかりなのである。

しかも淫夢の中の白い指がしきりにそこに触れていたこともあって、なおのこと意識がそこに集中せざるを得ず、今なおその夢がやわやわと続いていると見えて、柔らかな感触をおのれの左右に感じており、しかも隆々たる分身にひそひそと触れてくる何者かがいた。

未だ目覚めたくは無いと奈落の底から命ずる者があり、同時にあの真っ赤なマニュキュアが脳裏をかすめ、それが痺れるような快感を運んで来てしまい、朦朧たる意識の中で一層の刺激を求めて思わず腰を震わせると、すかさずもう一つの手が参加して僅かながらも期待に応えてくれたのである。

その根元をやんわりと握り込まれたことによって、幸いにも期待したものの多くが満たされ、それが存分にいなないて見せることを得たが、哀しいかな男の夢はそう長くは続かなかった。

朦朧としていたのは精々十秒そこそこのものでしかなかったろうが、程なく直ぐ身近に柔らかな吐息を感じ取ったことで、意識が瞬時に鮮明さを取り戻してしまったのだ。

あわてて左右を見て改めて愕然としたが、そこには予想に違わずいずれにも愛らしい笑顔があり、しかも、そのいずれもが明眸を開いて目覚めていた。

当然、視線が合う。

「な、な、な・・・。」

我にも無くうろたえてしまったのは事実だ。

慌てて跳ね起きて、最も愛すべき者たちをもう一度交互に見たが、何しろ六尺一本の我が身だ。

しかも、その締め込みが無惨なまでに緩み切ってしまっていて、そこから抜け出した猛りが男の本性のなんたるかを存分に叫んでしまっており、我が身の敗色は既に覆うべくも無いのである。

愛らしいパジャマ姿の二人が余裕の笑みさえ浮かべながら今悠然と身を起こし、ローズが腕を伸ばして枕もとの水差しを取り、咲子は咲子でうやうやしくグラスを捧げている。

二人共充分な確かさで視線を絡めてきていて、思わず視線を逸らせてしまったが、目を落とすと眼前で、稀代の親不孝者が今しもしおしおと頭(こうべ)を垂れ始めており、その哀れなさまは姫たちの視界の片隅にも捉えられているのは確実だろう。

押し寄せてくる想いを振り切るように、グラスの中身を一気に喉に流し込みつつ、就寝前に押しかけて来た豪傑とのやり取りをまざまざと思い浮かべている我が身がいた。

そこでおのれは、この二人を誰の手にも渡したくは無いとまで言明してしまっていたのである。

「聞いたのか。」

がっくりと首を落としてぽつりと聞いた。

二人共にっこりと微笑みながら頷き返すところを見ると、全てはあの恥多きやり取りが伝わってしまった結果ではあるのだろうが、おふくろさまの常日頃を思えばそれも又当然の帰結だと知らぬ筈は無いのである。

我が身の分身は今急速にその勢いを失いつつあったが、その現象を目の当たりにしながら姫たちに動ずる様子は全く無い。

それどころか、二人の笑顔は昨日までとは打って変わって見るからに自信に輝いており、余裕綽々と言って良い風情(ふぜい)だ。

聞けば、二人共迫水の導きは得たにせよ枕まで持参でこの部屋を訪れたと言い、その態度には実に堂々たるものがある。

この子らにそこまでの自信を与えてしまったのもおのれ自身であり、しかも現実に褥(しとね)をともにしてしまったことは紛れも無い。

少なくとも、このもろ腕に残る微妙な感触が、夢見心地のこととは言いながら、この子らにあるまじき狼藉(ろうぜき)を働いてしまったことを充分に窺わせてくれており、かと言ってそれが不快なものである筈が無いのである。

ローズがおしぼりを手にして、罪深きその指を今いとおしそうに拭ってくれており、咲子も負けじと我が額の脂(あぶら)を甲斐甲斐しく拭いてくれているのだ。

しかも、二人とも下半身は一糸纏わぬ姿であり、武道を以て鍛え上げた白い太ももが今さらながら目に眩しい。

とにもかくにも、その衣(ころも)を剥ぎ取ったのは誰あろう、この私であることは確かだ。

愛用の山姥(やまんば)を手に、日々の多くを山野を跋渉し自然を友として来た猟師の手は無論無骨極まりない。

その荒けき手によって無惨に剥ぎ取られたであろう天女の羽衣を、先程らいベッドの片隅で目端(めはし)に掛けていたのもその猟師自身だ。

最早、天女は天には戻れまい。

完敗であった。

ベッドの足元で羽を休めているシルクの羽衣をぼんやり見ていると、まるで昨日までの立場が逆転してしまったかのようにして、二人の口からこもごもに希望が噴出し、心の片隅で心地よい敗北感さえ味わいながら、その全てに応諾させられてしまっていたのだ。

当然のようにともに同等の地位を望み、今後はそれぞれの部屋を訪れて寝(しん)に就くべき旨を重々しく申し渡されてしまったが、それも今となっては当然のことのような気がしないでもないのである。

それが果たして天女たちにとって真の幸せに繋がるものかどうか、そこまでの自信は無いにせよ、少なくとも胸の奥にひたひたと打ち寄せてくるものがあり、それがこの子らに対する愛情以外の何ものでもないことだけは確信出来ているのだ。

早速今宵はローズの部屋で夜を過ごすべきことが言い渡され、次の夜は咲子の部屋だとの仰せだが、考えるまでも無く、おふくろさまの作戦が大いに図に当たったことには違いは無かろう。

ただ、意外にも、問題の舞姫のもとを訪れることまでは妨げる気は無いらしく、ひとえに、この王宮に足を踏み入れさせることのみを嫌っている。

ローズが、今後はこの八雲島の外でお会い下さるようにと強く主張し、咲子が我が意を得たりとばかりに頷くのだ。

無論、何一つ反論することは許されない。

その後の数分間、まるで胎児に戻ってしまったかのような気分まで味わっているうちに、愛すべきものたちは余裕をもって身じまいを終え、恭しく一礼までして退出して行ったが、枕もとの時計の針はまだ十七時を回ったばかりだ。

恐らく直ぐにでも台所に立つ気でいるのだろうが、枕を抱えて弾むような足取りで出て行く後ろ姿を、敗者はただ茫然と見送るほかに無かったことは言うまでも無い。

さまざまの想念が胸をかすめる中、しばらく広々としたベッドの裾に目を遣っていたが、胸に溢れてくる愛おしさだけはいや増すばかりであり、果たしてあの子らにどうしてやったら良いものやら、おふくろさまが全てを知る以上、その次なる指令にしても凡その見当はつくが、いずれにせよその段取りは大層なものになってしまうに違いないのである。


程なくして起き出すと、愛する者たちは既に変わる事無くキッチンに入っており、そのエプロン姿に心和ませながら一旦リビングに腰を落ち着けて見たが、そこに齎されたお京からの通信が、新たな局面の到来をたちまちにして予感させることになった。

実は、今回の索敵行で持ち帰った土産の中には、かつて苦闘の末に撃退することを得た戦闘機が一機含まれており、しかも、そこには搭乗員の白骨化した遺骸のほかにも、一体のタカミムスビ(高御産巣日神)の矢と共に極めて特徴あるものが存在していたのだ。

まったく動きを停止していたにせよ、それが拉致された女性型ヒューマノイドであったことが、少なからず幸運を呼び寄せたと言って良い。

そもそも若者の索敵行は、既に半年近くにわたって続けられてきたもので、その間常時四個兵団を投入し続け、その方法一つ取ってもそれなりの合理性を評価し得るものであった筈だ。

若者は、一部とは言いながら広大無辺のこの大宇宙を、百キロメートルを一辺とするさいころ状に切り割り、その全てに一個小隊を配置した上で、それを一千兆個以上も積み重ねて堂々たるユニットを形成して見せたのだ。

無論その一個小隊には、兵員以外にもそれぞれ十万機のD二と一千万機のG四が付随しており、それを思えばその活動範囲の広大さはそれはそれで途方も無いものであって、自己の小隊が担う守備範囲を隅々までフォローして余すところが無い。

それほどの内容を具える立方体が一千兆個以上も積み重なった集合体が、一つのユニットとして天空で稼動していることになるのである。

若者の作業は実に壮大なものであり、そのユニット内部の立方体相互の距離は不変のままに、そのユニット全体を弛まず移動させ続けて来ており、その索敵網の巨大さは言うもおろかだと言って良い。

だが、如何せん対象となすべき空間はあまりに広過ぎた。

若者の索敵網はそれはそれで壮大な規模を誇るとは言いながら、大宇宙から見れば浜辺の砂のただの一粒に過ぎず、延々と索敵行を繰り返しながら今までこれと言った成果をあげ得ずに来たが、今回は小型のものとは言いながら敵機そのものの鹵獲に成功したのだ。

驚くべきことに、問題の敵機が若者の索敵網の外郭からはるか遠方に存在していたにもかかわらず、易々と発見することを得たのである。

無論、その中にあったヒューマノイドの発する微細な信号があったればこそであり、それが無ければ未だに発見に至らなかった筈なのだ。

とにもかくにも、その貴重な戦利品は目下天空での分析を命じてあり、今待ちに待った第一報が入ったことになる。

報告者は東京の官邸にいるお京だが、何分にもことがことであり、窓の月は一切用いられてはいない。

「タカミムスビの矢は全く作動してなかったように思えたが、その点はどうか。」

鹵獲の時点でD二とG四を以て厳重に取り囲み万全を期してはいるが、本来、最も恐るべき敵の兵器なのである。

「動力源が、既に消耗し切っていたようでございます。」

無論、その動力源はPMEタイプのものだ。

「ほほう。」

「何分にも造られてから、少なくとも四世紀以上経過しているとのことでございますから。」

「なに、四百年以上と申すか。」

「はい、場合によりましては五百年以上とも。」

「ふうむ。」

「あの機体そのものも同様とのことでございます。」

何せその機体そのものが自律的な運動を行うことなく、暗黒の宇宙空間を緩やかに移動しながら、ただただ漂うに任せていたのだ。

「いや、驚いたな。」

それが事実なら、それらの工業生産品が、それほどまでの長期にわたって、進化もせずにそのまま使われ続けていたことになってしまうのだ。

「なお、敵兵の遺骸に付きましては、現在捕捉中の者どもと同族のよしにございます。」

「そりゃ、そうだろう。」

着々と接近中の敵船の者たちと同族だと言うが、これに付いては初めから想定していたことでもあり、いまさら驚くようなことでは無い。

「行き方知れずの戦艦に関しましては、未だ確定的なデータを発見するに至っておりません。」

「さようか。」

これも予想通りだ。

「拉致されたものの記録装置の復旧作業に、目下全力をあげておるところでございますので、今暫くのご猶予を賜りとう存じます。」

「ふむ。」

書き込まれたデータそのものが復旧出来れば、更なる情報が期待出来るだろう。

「申し遅れましたが、このたびはまことにおめでとう存じます。」

図らずも姫たちと褥をともにしてしまった挙句、その姫たちからさまざまに申し渡しを受けたことを言うのだろう。

「なにを今さら。」

思わず失笑してしまったのも無理は無いだろう。

全てはおふくろさまの指揮のもとに、このお京が仕組んだものに相違ないのである。

「それでは、目出度くはないとの仰せでございましょうか。」

「あ、いや、そう言う意味ではない。」

この期に及んでそのような誤解が耳に入れば、天女さまから如何なるペナルティを課せられるか知れたものではないのだ。

それこそ、二人して泣かれでもしたら、とんでもないおおごとになってしまうだろう。

「では、お喜びいただけたものと受け止めさせていただきますが、それにてよろしゅうございましょうか。」

笑止にも念を押しおるわ。

「うむ、それに相違無いわ。」

又してもほろ苦い笑いが湧いてきてしまう。

「では、ご婚儀につきましてはいかように取り計らいましょうや。」

「やはり、やらんわけには参らぬか。」

「お心のままに。」

「しかし、当人たちの心持ちもあるであろうな。」

二人の顔が思い浮かんだが、その何れもが自信に満ちた視線を送ってくる。

「ご賢察でございます。」

「やむを得ぬ、当人たちの心に任せるよりあるまい。」

「心得ました。」

「くれぐれも、あまり大げさなことにはならぬように致せ。」

「かしこまりました。早速にお二方のご意向を承りましてから、改めてご報告させていただきたく存じますが。」

「うむ。」

「ところで、任那の件でございますが。」

「任那の件と申すか。」

何のことやら、腑に落ちないのだ。

その任那は繁栄への途を今も驀進中であり、既に数多くの商業都市が世界有数の規模を以て経済活動の拠点となっている領域なのである。

無論、途方も無い数の外国人たちが活発に経済活動に励んでおり、同時に多数の秋津州人たちもおふくろさまのコントロール下でその経済活動に参加している筈で、それは、馬酔木の山斎を除けば秋津州の殆どがそうだと言って良い。

「はい。今のままの取り扱いにてよろしゅうございましょうか。」

「なにか、特段のことでもあったのか。」

その領域も我が領土の一部である以上、巡察を兼ねて自身頻繁に訪れており、現地の地方庁舎には殆ど入ることなく、大和商事の看板をかけさせているビルを主たる拠点とし続けていると言う実態があり、しかも、そこの社主室を恒常的に専用のスペースとしている以上、言わば、現地の休憩所のように扱っていることにはなるだろう。

わざわざ地方に休憩所など設けなくとも、一瞬で六角庁舎に戻れるのだが、何せ任那支社には、口うるさいものなどただの一人もいないのである。

自然、憩いのひと時を楽しむことになり、用も無いのにそこで仮眠をとるためだけに行くことさえあるのだ。

「お申し付けのあった日本人女性に関するお取り扱いでございます。」

お京の言う「任那の件」とは、その女性の件であったのか。

無論大和商事の話なのだが、先般日本で採用した婦人が本人の希望もあって任那に赴任しており、その優秀な勤務実績にも鑑み、その社主室の近辺に転任させたのは確かに自分だ。

何せ、支社の最上階で唯一の生身の人間なのだ、ヒューマノイドと語るより、余ほど落ち着く。

「何か問題でもあるのか。」

「いえ。」

「何かあるなら、はよう申せ。」

「恐れ入りますが、現在のままでよろしゅうございましょうか。」

「問題が無いのなら、それで良いではないか。」

ここで迂闊なことを言えば、おふくろさまが過剰に反応して、また途方も無いことをやりかねんだろう。

それでなくとも、その女性に裏でいろいろと焚きつけてる気配まで感じるのだ。

「承知致しました。」

「うむ。」

「先ほどお命じ下さいました件は滞りなくあい済みましてございます。」

舞姫にプレゼントを届けたという。

小切手の額面までは指示した覚えは無いが、この私の恥になるほど過小な金額でなかったことだけは確かだろう。

「うむ。」

「ところで、明日(みょうにち)もご出立あそばされましょうや。」

索敵行のことだ。

「そのつもりだ。」

「お帰りまでにはデータの整理も多少は進んでおりましょうし。」

「そうあって欲しいものだ。」

とにもかくにも敵の戦艦の行方だ。

相手の戦力にもよろうが、万一、不在中に攻撃を受ければ流石の秋津州軍も相当な損害は免れまい。

その前に是非ともその所在を確認したいものだ。

前回の時の様子ではその戦艦には非戦闘員の姿は無く、それがそのままであれば、見つけ次第躊躇無く処置することも出来よう。

最悪の場合、予期せぬ遭遇戦を闘うことになるだろうが、後患の憂いを払拭するためにも躊躇している場合では無い。

こちらが先に発見しさえすれば全て解決するのだが、愛するものたちを守るためにも、見敵必殺、如何なる流血を見ようとひたすら殲滅あるのみだ。

昨日までのおのれとは明らかに違っていた。

守るべき者の輪郭が心に鮮明に浮かび、迫り来る戦いを前にして、全身に沸々たる闘志が漲って来るのを覚えていたのである。

 ◆ 目次ページに戻る

  1. 2008/06/08(日) 16:52:03|
  2. 妄想小説 主権国家|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
前のページ 次のページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。