日本大好きじいさんの落書き帳

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

自立国家の建設 136

 ◆ 目次ページに戻る

無論天空には億兆の耳目を持った人工知能がいる。

いっときも休まず情報を取り込み、盛んにデジタル演算を繰り返しながら、冷徹な指令を次々と発しているのだが、彼女にしてみれば彼女なりの手法を以てその課題を果たそうとしているに過ぎない。

しかも、世界的な広がりを見せる情報網を基にしているとは言いながら、その演算作業が常に正確な未来像まで導き出しているとは言い難い。

未来は、あくまで不確実性を持つからこそ未来なのであり、現に地上では、多くの人々がそれぞれに行動を起こしており、そのひとつひとつが小さな変化を齎し、やがて各所にボタンの掛け違いとでも言うべき現象を引き起こし、ときにその演算結果との間に甚だしい乖離を生じさせてしまうことさえあるが、そのことに対する畏れなどまったく無いのである。

それこそが人間との最大の違いだと言ってしまえばそれまでだが、現実にその演算結果がさまざまなものを連れて来てしまうのだ。

殊に敵襲を控えて、主(あるじ)の行動が巨大な綻びを生じさせてしまう危険性を大声で告げ始めており、それはこの人工知能にとっても最大級の脅威なのだからことは容易ではない。

脅威を前にして彼女は人知れず呟くだろう。

とにかく、並外れた敢闘精神を持つ主(あるじ)なのだ。

予期せぬ遭遇戦の場合など何が起きても不思議は無い上に、何よりも唯一残された王家の血脈なのである。

秋津州の命運を握る特別な能力はその血脈の中にしか生まれて来ないものであり、その血脈が途絶えてしまう恐れがある以上あらん限りの手法を用いて対抗せざるを得ず、主に知れれば即刻中止を命ぜられる類(たぐい)の行為にまで手を染めつつあるが、現に確保出来ているのは秋津州人女性の卵子ばかりで、肝心の主のものなどまったくないのである。

近頃は、迫水姉妹にその任務を与えたが全く功を奏さない。

しかも、姉妹には表舞台に立つ役割を既に持たせてしまっており、そのボディに冷凍保存機能まで持たせてしまえばエックス線検査においてすら容易に露呈してしまう。

このような状況に鑑みて、決して表舞台には立たない者にその機能を持たせて待機させてはいるものの、未だにご披露するに至らず、例のレディにしても、そのプロトタイプに限ればとうに一万例を越える臨床治験を終えており、その報酬に要した費用もかなりの額に上りつつある上、全て架空の企業に名を借りて処理すべく特別の施設まで運営しているほどだ。

レディに関してはその治験において万全の結果を得て、近頃ようやく一歩を踏み込んではみたものの、ご機嫌を損じてしまう恐れは捨てきれず、全ては使い手のフォロー如何にかかっており、結局は又しても厳しいお叱りを頂戴する結果に終わってしまう可能性すらあるが、予期せぬ遭遇戦が起こる可能性はいよいよ高まるばかりで、一刻の猶予も許されない事態なのである。

諸方に配備した人工子宮にしても、その生体活動を停止させてしまえば、完全な正常化を見るには数ヶ月ものときを要することから、お下知に背いてまでひっそりと稼動させてはいるものの、肝心の精子を持てない以上窮するばかりであったところ、図らずも事態が急転してくれた。

主の婚姻である。

ところが、せっかく娶ってくれた二人の妃(きさき)が用をなさない。

それぞれのもとで既に五夜づつをお過ごしになられたにもかかわらず、どう言うわけか新郎としての務めを果たしていただけないのである。

まるで腫れ物にでも触れるように扱うばかりで、肝心の生殖活動に踏み込もうとはなさらず、それどころか愛娘でも抱いているような素振りさえお見せになるのだ。

しかも、妃たちの方も、互いに連絡しあった結果それが自分だけに起きていることでは無いと知るや、さも満足気に寝入っている始末で、これでは大切な目的が達成される筈も無い。

主に伺ってみたが、解析不能なことながら、ただただ愛しくてならないご様子で、折角同衾してもその本能とやらが目覚めてこないと仰り、気高くも美しいものを汚してしまうような畏れさえ抱いてらっしゃるご様子で、結局どうすることも出来ないのだ。

仰せの通り、確かにお二人共気高く美しい。

日常の凛然たる立ち居振る舞いひとつとっても、既に堂々たる王妃そのものだ。

尤も、お二人に王妃たるべき資質を見出し、ここ数年にわたって、ひたすらそのように教導して来たのもこの私であり、それのどこに問題があると仰るのか。

それが王妃であってある種のオンナでは無い以上、決して誤りなどでは無い筈なのだが結果がこうだ。

尤も、就寝中の主には若い男性が股間に覚える隆々たる生命の発露があり、その猛々しさ、たくましさにおいても決して人後に落ちるものではない筈で、朝方など、妃たちが隆々たる帆柱にしがみつかんばかりにして寝入っておられたりして、その状況に違和感を覚えておられる気配はないのだから、まったく望みが無いわけではないのである。

いずれにしても、今しばらくのときを掛けてみるより仕方が無いのだが、現実には、咲子妃の母親が新枕(にいまくら)の首尾を案じて問い質したことからことが露見してしまっており、しかもそれが共に五夜も続いたことで、例のサロンのメンバーが集結を始めていてひと騒動持ち上がりそうな気配はある。

婚姻の式典に関しても然りだが、お二方とも異星人との衝突を一際重く見ておいでで、それが一段落着くまではと主張しておられ、サロンの一部にせきたてる意見があっても、まったく動じてはおられないが、その間にも、大切な使命が果たせなくなってしまう危険性は増すばかりであり、そうなってしまってからでは何もかもが手遅れなのだ。

何がどうあっても結局主の本能次第と言うことになるだけに、そこに全力を注ぐほかは無いが、その目的に沿った女どもを主の視界に多数送り込むことが出来ている今、その多彩な顔ぶれがいよいよ本領を発揮してくれる番だろう。

その国籍もまた多彩なもので、まさに百花繚乱と言って良いほどの状況なのだが、その手の女どもは以前からカウンターアタックの対象となっていたものが殆どであり、既に溢れんばかりのデータを得ており、とうに青信号をお出ししているケースが多いのだ。

だが、最もその本領を発揮しているのは皮肉にもあの舞姫であり、その意味に限れば目下一番のお気に入りと言って良いだろうが、惜しむらくはあの女に肝心の機能が失われてしまっていることで、そのこと自体は告げる事無くレディの使用を勧めたのだが、成功の可能性は極めて小さいと判断せざるを得ない。

主の本能を如何に高揚させてくれようとも、その結果が良い方向に向かわず、しかもレディ使用の成功率まで皆無だとなれば、あの女には何の価値も無いことになるばかりか、反って阻害要因を残すだけであり、そうなればそうなったで、タイラーとか言うあの米国人に一言告げるだけで始末がつく筈だ。

「あの者にあれほどまでの過去があると知りつつ、かくも積極的に接近させようと図るとは、そこに何らかの底意を感じざるを得ない。」との御意(ぎょい)を、それとなく伝えさえすればそれで全てのけりがつく。

先日、あの男の元を訪ねさせた雅(まさ)の口からでも告げさせれば、余計な手間は一切掛かるまい。

主にしても、あの女の過去の行状をお知りになれば、強いて止めようとはなさらないだろう。

また、あの米国人男性から持ちかけられた軍事上の案件にしても、今のところペンディングになってはいるものの、多くの日本人たちが額を集めていることでもあり、主はその動向を注意深く見ておいでなのだ。

他国の軍を指揮するなど、足手纏いになるばかりで何の魅力も感じておられないご様子ではあるものの、いずれ近々にもお下知が下る気配はある。

何にせよ、今も多数の日本人がその対応を巡って鳩首協議の最中なのである。

中でも土竜庵関連の面々は、新田夫人に至るまで秋津州商事の従業員としてそれなりの報酬も与え続けており、我が主の不利益に繋がるような判断を下す恐れは少ないだろうが、秋元涼がその配下共々十分目を光らせていることもあり、結果として彼等がマイナス要因となる可能性は薄いだろう。

また、任那支社に配属した山川と言う日本人女性に関しては、主の性的興味の対象と認識しているが、そのようなご意思をお示し下さるのは希なことでもあり、それはそれで今となっては貴重な存在であり、それなりの支援体制を採りつつ良好な展開を志向してはいるが、このケースにしても、哀しいかなレディを活かすことにその多くを絞らざるを得ない。

偶然にもこのツールの繁殖機能もまた絶望的であり、それは、かつて経験した悲痛な流産騒動が無関係ではないようにも見受けられるが、今以て当人も認識しておらず、無論主にも報告はしていない。

わざわざご気分を損じてまでお報せするほどのことでは無いのである。

その特殊な経済状況や怪しげな振る舞いに関しても一切ご存じないが、わざわざお知らせしても特段の価値が無いばかりか、反って大きな損失に繋がる可能性が高いと判断しており、お尋ねがない限りこちらからお知らせする予定はまったく無い。

彼女に関しては、未だ完璧な安全宣言をお出しするには至らない上に、その性向に尋常ならざるものが見え隠れしているだけに、レディの件などは余程慎重にことを運ぶ必要があり、もうしばらく時を稼ぐ他は無いが、取りあえず部屋だけは特別のものを与えて置くべきだろう。

同じ宿舎でもそのレベルを格段に上げ、室内設備などは例の舞姫がオーダーしていたものを参考にしつつ準備中であり、贈り続けている下着類にしても、専ら舞姫のものを参考にして見繕わせてはいるが、一般人で検証した結果その効果のほども侮れないものがあるようだ。

いずれにせよこの女に関しては主がお気に召してくれている以上、その本能を高揚させてくれる可能性は大であり、安全宣言をお出し出来る時期も遠くないだけに、その日に備えて充分な手配りを命じて置くよりほかは無いが、あれやこれやで処理すべき作業は溢れんばかりだ。

先日の戦利品についてもなすべきことは全てなし終えたが、期待された記録装置の復旧は遂に叶わず、自然目ぼしいデータも得られない。

着々と接近中の敵艦については相変わらず完璧にフォローなさっておられ、先ごろからその移動速度を格段に速めていると承知しているが、それに伴い、頂戴するお下知にもさまざまなものが混じり始めており、目下それに関しても作業中だがこれにはもうしばらくの時を要するだろう。

北極島や南極島の施設に関してもお下知に従い大々的に工事を施し、あとはお直々のご検分を待つばかりだが、殊に新装成った胆沢城(いさわじょう)に関してなどは、NBSを始め各報道機関にも公開を済ませ、少なくともその地表付近にある施設に付いては世界の知るところとなっており、既に一部では「ヤマトのイサワジョウ」と呼ばれ始めているようだ。

この場合の胆沢城とは、八雲の郷から北へ五百キロほどを隔てた離島全体を指す呼称だが、離島とは言いながらその多くを緑に包まれた堂々たる大地であり、農地は勿論、さまざまな施設が壮大な規模を以て存在している上、その外郭は直径百二十キロ幅十キロほどの環礁にも似た形状を為し、しかも概ね真円に近いのである。

茫々たる洋上に巨大なリングが浮かんでいることになる上、その内側では見事な環濠が満々たる水量を誇り、そのまた内側に五千平方キロほどの離島が浮かんでいるのだが、そのいずれもが真円に近い形状をしているのだから無論自然の造形物などではない。

かつてご先代さまご若年のみぎりその工事を思い立たれ、もともとは相当大きな島であったものをわざわざこのような形に掘削したものであり、胆沢城と名付けられたのも実にそのときのことだ。

すなわち鳥瞰すれば、巨大なドーナツの真ん中に丸いクッキーがあるように見えている筈であり、そのドーナツとクッキーは直径百キロもの環濠によって隔てられ、環濠へはドーナツとクッキーから大小の河川が流入しているのだから、本来ならその塩分濃度を限りなく上昇させてしまうところだろうが、環濠と外洋とを結ぶ二筋(ふたすじ)の運河が双方の水質を辛うじて同等に保っている状況にある。

詰まりはドーナツの南部と北部の大地を二箇所開削して運河を通してあるのだが、それらの運河は共に二千メートルもの幅を持ちながら、見事なまでに幾何学的な直線をなし、その両岸は水面から五十メートルもの高さを持った橋で接続されており、結局巨大なドーナツは陸上用の乗り物で地上を一周し得ることになるが、真ん中の丸いクッキーへは、幅十キロもの環濠を突っ切らない限り到達出来ない構造だ。

しかも、その環濠への侵入を妨げるものが各運河の外洋側の出口にその姿を見せているが、一言で言って巨大な水門であり、その門扉は概ね五百メートルもの厚みを持つが、その水面下には無数の穴が開けられており、それが閉じている間でさえ、海流はもとより相当大型の魚類までその往来を許すと言って良い。

結局、普段は開いていて、いざと言う場合にそれを閉じることによって、敵船の侵入を物理的に妨げようとする構造であり、潜水艦が潜水したまま侵入しようにも、およそ有人のものならその通過は完璧に阻まれてしまうだろう。

ちなみに言えば、この胆沢城が最初に完成を見たのは日本で言うところの幕末の頃であったのだが、その折角の防禦構造も軍事的には当時も今も殆ど意味を成さない。

その当時の丹波に王の脅威となる者などいる筈も無く、或いは現代においては諸国の軍事能力がその有効性を殆ど否定し去ってしまっており、結局この「胆沢城」は王の趣味的世界においてのみ多少の意味を持つのだろうが、単体の中世的城砦として見る限りにおいては稀な規模ではあるだろう。

とにもかくにも円形の巨大な城砦なのである。

近頃そこに大幅に手を入れた結果、地中深くにまで巨大な施設を築いて食糧や生活物資を搬入中なのだが、実はこれ等の地下施設には隠れた用途が別にある。

一言で言って私自身のスペアマシンの収納であり、現にそれを地下の最深部に収納している上、常にデータの同期を行って万全を期しており、天空の私が致命的な損傷を蒙った際に、そこで私が瞬時に復活することになっているのだが、私の分身であるだけにその辺に無造作に転がしておけるような代物ではない。

それなりの場所が必要であり、その一部を丹波の地表付近に求めた結果が今回大々的に工事を行った胆沢城や鬼界が島なのであり、無論そのほかにも多数の配備を完了し、それらの地下設備に収容可能な人員数も二百万を超えるほどであり、それは既に万全の態勢と言って良いだろう。

何にせよこのスペアマシンに関しては、丹波で唯一の衛星である月の地中深くに設置したものについても然りだが、今や廃墟と化した地球はもとより荘園の全てに配備した上に、近頃発見なさった新たな惑星への配備まで完了しており、その巡察行のたびに行われるデータの同期作業もいたって順調だ。

新たに発見なさった惑星にしても無論その辺に転がっている只の星では無く、数億光年もの距離を隔てているとは言いながら、人類の生存に適する希少なものの一つであり、「若狭(わかさ)」と名付けて新たな領土となさった上、丹後と但馬から多様な生物の搬入に手を染めておいでだが、その地表付近の詳細なデータまでは未だに頂戴してはいない。

何分にも一方に連日の索敵行のことがあり、目前の危機を乗り切るためにも、それはやはり最優先と為すべき課題であることは否めないのである。

 ◆ 目次ページに戻る

  1. 2008/06/27(金) 16:43:09|
  2. 妄想小説 主権国家|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
前のページ 次のページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。