日本大好きじいさんの落書き帳

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自立国家の建設 167

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「累積でも、とうとう赤字になっちゃったって聞いたけど。」

「僅かだけどな。」

「それだけ民放に公告を打ってたのよねえ。じゃ、公共放送はどうすんのよ、あのままでおいとくの。」

「まさか。真っ先に民営化さ。」

多くの場合、日本における公共放送の存在意義は既に失われてしまっており、一刻も早く民営化を実行すべきなのである。

「やっぱりね。」

「なにせ、民放より毒を撒き散らしてたからな。社会正義が聞いて呆れるよ。」

「それなのに、公共放送だから嘘は言わないって思っちゃうヒトがいっぱいいるもんねえ。」

「それをいいことに情報を捻じ曲げるんだから一番タチが悪いわな。」

「秋津州戦争が終わって、中朝の対日姿勢が逆転してからは、多少遠慮してるみたいだけどね。」

当時、「眞相はかうだ、の眞相」なる特番を組んで、敗戦後GHQに強制されて変造情報を垂れ流していた事実を明らかにし、全ての責めは強制した側にあるとする論陣を張ったほどだ。

「今だって、遠慮しながら微妙に味付けしてやがる。」

「結局、内部に特殊な考え方をするヒトがいっぱいいるんでしょうね。」

「うん、日本は弱体化した方がいいんだって思い込んじゃってるようなヤツが大勢いて、少なくとも軍事的には弱いままでいた方が平和だなんてとちくるっちゃってるしな。」

「日本に軍隊は不要だって言ってるヒトもいるわよ。」

「ひでえのにかかると、それこそが世界平和に貢献する近道だなんて言いやがる。」

国井内閣が粛々と改正した現憲法において、日本の国防部隊が軍を名乗ることを許されたばかりなのである。

「でも、そう言うヒトって各省庁にもいっぱいいるわよ。現にあたしの前の上司なんかもその口だったもの。」

無論、妻が退官する前の話なのだ。

「うんうん、日本が力を持っちゃうと平和に対する脅威になっちゃうって信じ込んでるんだな、こいつ等。」

「あんたが、モスクワに乗り込んで北方領土を奪還して来たときなんか、その上司大騒ぎだったんだから。勿論否定的な意味でよ。」

「へええ・・・、自国の領土を取り戻すことの何処が不満なんだろ。」

「そんな強引なことしてたら戦争になっちゃう。新田のバカは平和を破壊するつもりか、なんて言ってたわ。もう、腹が立って腹が立って・・・。」

「それで、おまえ黙って聞いてたのか。」

「自国領土を武力占領されちゃってる時点で既に戦争状態でしょって言ってやったわよ。」

問題の北方領土が旧ソ連に不法に占領され、その地で生まれ育った日本人が悉く逐われたままである以上、戦争状態にあると言うほかは無いだろう。

「あははは、わざわざ破壊しなくったって、とっくに戦争状態だよな。」

実際、現地の日本人は、財産はおろか、多数の命までが奪われてしまっているのである。

「あの人たちって、最初っから感覚がずれちゃってるのよね。」

「うん、とにかく日本は力を持つとロクなことをしねえって思い込んじゃってるんだ。」

「ヘンな先生に教わったことだけで大人になっちゃって、現実を見ようとしないヒトが多過ぎるものね。」

「まあ、敗戦でそれまでのエラい人たちが揃って公職追放になっちゃって、帝大の先生なんかも大幅に入れ替えられちゃったからなあ。」

全て占領軍の統治下で強制されたことなのである。

「その流れが未だに続いちゃってるんだもんね。」

「連中の中でも悪質なヤツなんか、てめえの出世を担保に敵側の宣伝戦に積極的に加担する始末だ。実際は嘘の歴史だって知っててやりやがるんだから一番タチが悪い。」

近代史ばかりか、古代史にまで奇妙な解釈を加える例が多いのだ。

「結局、そう言うあっち系の先生に教わって来たヒトが教師になって子供たちを教える番になっちゃったんだもんねえ。」

「何の因果か、戦前の日本は世にも希なるごろつき国家だったって思っちゃってる時点で、既にずれちゃってるわけだ。」

「公職追放でまともな考えの人がばたばた首になっちゃって、そう言うヘンテコな考えの人ばっかり登用されちゃったのよね。」

「GHQの中の実務集団がそっち系の連中でいっぱいだったからな。」

ソ連(ロシア)にしてみれば、西方(古くはフランス、新しくはドイツ)の脅威を控え、東方の脅威であった日本を徹底的に無力化しておきたかったのだろうが、現に「そっち系の連中」がコミンテルンに使嗾(しそう)されていた事実が、近年になって益々明らかにされているのである。

尤も、数年後には日本でもアメリカでも、その強烈な揺り戻しが「赤狩り」と言う動きを伴ってやってくることになるのだ。

「それで日本は日の丸まで取り上げられちゃった。」

「日の丸の掲揚なんざとんでもねえってな。」

「まったく・・・、日の丸に何の罪があるって言うのよ。意匠が気に入らないって言うんなら、デザイン変更を日本人が自分で考えればいいことじゃない。」

「連中は、何が何でも日本をごろつき国家だとしときたかったんだろうよ。」

無論、日本人の精神を打ちのめしてしまうためだ。

極悪非道の行為を為したと思わせとけば、日本人は以後敢闘精神を持つことが困難となり、そう言う日本に対しては、どんなに無理難題をぶつけても抵抗しなくなることを期待したのだろうが、その目論見(連合国側の)は現に半ば成功したと言って良い。

「そのごろつき国家の象徴が日の丸だって教え込んじゃったわけだ。」

「日の丸は悪の象徴なんだとよ。」

「でも、日の丸を禁止されちゃったその当座、日本の外洋船の国旗なんかどうしてたのかしら。」

心の拠り所だった日の丸の使用が禁じられて、船乗りたちも揃って歯噛みしていた時代だったのだが、国籍識別旗を掲げないまま外洋に出てゆけば海賊船と看做されてしまうのだから、ことは容易では無いのである。

「なんだ、知らなかったのか。日の丸の代わりにスケジャップ旗って言うヤツを揚げさせられてたんだ。確か赤と青の二色旗だった筈だ。」

「それも占領軍の命令よね。」

「当然強制だ。その他にも日本は飛行機を一切作っちゃならねえって命令されてたぜ。」

くどいようだが、当時の日本は敗戦国として占領統治されていたのだ。

「民需用の飛行機、一つも作らせてもらえなかったし・・・。優秀な航空機の技術系譜を根絶やしにしたかったのかしら。」

日本のその技術が世界一だったとまで言うつもりはないが、少なくとも当時は他の列強国のそれに対抗し得るほどのものだったことだけは間違いない。

「それもこれも、愚民化政策の典型だろうよ。」

「ほんと、そう考えるとやつらのやることは徹底してたみたいね。」

この場合の「やつら」とは、無論占領軍のことである。

「結局、占領下の日本では、徹底した情報統制の元で暗黒の統治が行われていたことになる。」

「ほんと、教育行政なんて暗黒としか言いようが無いわよね。」

「あっち系の学童を大量生産させようとしたわけさ。」

「現に大量生産されちゃって、その後、そっち系のやつらが最大の拠点にしてたのが国鉄で、どうにもこうにも始末がつかないから苦労して民営化したんだもんね。」

無論、問題はそんな単純なものではないとは言うものの、国鉄の巨大労組の存在が企業統治の上で大きな障害となって、信じ難いほどの赤字を垂れ流し続けたことだけは動かしようのない事実だろう。

民間企業ならとうの昔に潰れていた筈だが、何せ親方日の丸だ。

まったく腹立たしいことに、そいつらの残した悪弊は、その後も巨大な負債となって全国民の肩の上にのしかかっているのである。

「うん、今じゃ、社会保険庁と公共放送がそいつらの拠点だろうよ。」

尤も、社会保険庁では今や百万体のヒト型ロボットがその実務をこなすまでになって来ており、その手の職員たちのサボタージュに怯える必要がなくなりつつある上に、過去において業務上の犯罪的行為に手を染めた人間が悉くあぶりだされてしまっており、時効によって刑事罰の対象にはならなくとも、そのことが原因で大量の職員が職を逐われつつあるのだが、言うまでも無く全て自業自得なのだ。

「陛下のご協力で社会保険庁は始末がつきそうだからいいようなものの、公共放送は未だ手付かずだもんね。そう言う手合いが今でも公共放送を仕切ってるかと思うといやんなるわ。」

「今んところ少し大人しくして見せてるが、あいつらが巣食ってる以上どうにもならねえ。」

とにかく、「あいつら」にとって「親方日の丸」と言う環境が、最強の武器として機能してしまうのである。

「問題は中にいる人間なんだから、その人たちだけ辞めさせちゃうわけにはいかないのかしら。」

「今の法体系じゃ無理だろうな。だから民営化させちゃうんだ。純然たる商売になりゃスポンサーさまの仰ることに逆らえば成り立たなくなるからな。それでもって必要なら新たな公共放送を別に作る。」

「あらあら・・・。」

「なんだったら、そのことの資金は全額こっちで負担したっていいんだ。」

「あ、秋桜資金・・・・。」

秋桜資金は岡部と連名の私有財産の形式だとは言うものの、元々公のために費消されるべき性格を持たせており、この意味では、年金会計の大穴を埋めるためにも、国井内閣の要請があり次第いつでも出動が可能なのである。

「そうだ。岡部なんざハナっからそのつもりさ。」

「今度は採用基準なんかもまともになるんでしょ。」

無論、新たに設立される公共放送の人員採用基準のことだ。

「当たりめえだ。今までみてえなヘンな左巻きの外国人なんか一人もいれるもんか。」

「じゃ、マスコミ対策はもうオッケーかしら。」

「ま、これからが勝負だな。」

「だって、民間放送の方はとっくにだいじょぶなんでしょ。」

「いまんとこ、口出しは控えてるけどな。」

ビッグスポンサーとしての口出しのことである。

尤も、実際に口出しはしなくても、メディア側が勝手に自己規制してしまっているのが実情だろう。

「ところで、テレビの親会社になってる新聞社なんかはどうなのよ。」

「お、鋭い質問だな。」

「あはっ。」

「何を隠そう、今じゃ秋津州の大和商事系新聞が、印刷を日本の新聞社に分散して委託してるんだ。」

日本で輪転機から刷りあがってくると、待ち構えてたポッドが颯爽と秋津州に運んでしまうのだが、最も遠距離の任那でさえ運搬に三十分とかからない上に、同じ秋津州でも任那版などは時差の関係で締切時間に大幅な違いがあり、日本の新聞印刷会社のタイムシェアリングの上でも大きな意味を持ち始めているところに持って来て、ちょっとやそっとの部数ではないのである。

外注分だけで六千万部もあると言うのだから、印刷の委託を受ける各新聞社においては生産性向上の意味合いも含め、用紙やインクなどの入手の時点で発生するスケールメリットの巨大さが、到底無視出来ないものになってしまっている筈だ。

「あらそうなの。」

「それも、日本全体の発行部数よりでかいんだぞ。」

「へええ・・・。」

「今じゃ、その委託を止められちゃうと潰れちまう新聞社まであるって話だ。」

潰れちまうのは無論日本側の新聞社の方なのだが、例え潰れるまでには至らなくとも他社との競争の上で大きな痛手になることは避けられないから、その委託印刷の受注にかけては各社とも目の色を変えてしまうほどであり、その点でも秋津州の影響力は既に地を覆うほどのものになってしまっていると言って良い。

しかも、日本の新聞の広告主としても秋津州商事が巨大な存在である以上、自然、秋津州の意に染まぬような記事など自己規制の対象になってしまう。

「じゃ、テレビも新聞も、その手の援護射撃って、少なくとも陛下の方はオッケーなのよね。」

「国家レベルの話だから、国家レベルで要請すればいいのさ。勿論秘密裏にな。」

「そっか、要するに日本の総理大臣が要請した範囲で協力してくれるわけね。」

「それが陛下の思想信条に反しない限りだ。」

「陛下と国井さんじゃ反するわけがないでしょ。」

「尤も、陛下は事実を捻じ曲げた報道をお嫌いになるだけで、事実の報道にまで横槍を入れるような方じゃないけどな。」

メディア側の情報操作に待ったを掛けるだけの話なのだ。

「当然よ。」

妻は昂然と眉を挙げて言うが、何しろ、ヤマトサロンはあの方のファンクラブに等しいのである。

「ところで、その陛下の方の話は何処行っちゃったんだあ。」

「あらら。」

「確か女の尻を追っ掛け回す話じゃなかったっけか。」

「そうそう、その話よ。」

「おまえが余分な話を持ち出すからだ。」

「あら、ほんと。」

妻はほんのりと頬を染めている。

「あははは。」

「あ、そうそう。そう言えば、例の「任那御別宅のおん方」ってのはどうなってんのよ。」

日本でごく一部の業界紙が報じたと言うゴシップの真偽のほどを気にしてるらしいが、そもそもが戦略管制室から小耳に挟んだだけの話であり、大規模メディアにおいては未だ話題にもなっていないと言う。

「そっちの方面はお前らのほうがよっぽど詳しい筈だろ。」

「三十路(みそじ)だって話だったけど・・・・・、ほんとのところはどうなのかしらねえ。」

ほんとのところとは年齢のことでは無い筈だ。

「俺は信じてねえけどな。」

あの方の来し方を見るにつけ、とても考えられない。

「まるっきり脈は無いのかしらねえ。」

「そんなの俺が知るわけねえだろ。」

「よしっ、みどりママに相談してみよっと。」

何しろ、みどりママが大声で主張すれば陛下が追認してしまうケースが多く、それが王家の家庭内のことに限られるとは言うものの、その影響は小さくないのである。

「こらこら、あんまり大袈裟にするんじゃねえぞ。」

「なによ。これはヤマトサロンの問題よ。オトコどもが口を挟むことじゃないわ。」

「これだもんなあ。」

ヤマトサロンの稜々たる治外法権の壁は、相も変わらず微動だにしていないのである。

「確か山川さんって言ったかしら、いい人だといいんだけど。」

「あのなあ、オレ等オトコどもの口から言わせてもらえば、例のダンサーの方がよっぽど効き目があると思うんだけどなあ。」

直接には一度しか見ていないにせよ、その妖艶さには絶対的なものさえ感じさせられたほどであり、それに匹敵すると思えるほどのものと言えば、自分の知る限り一部の女優を除けば、ローマ帝国の例の妖怪ぐらいのものだろう。

「あ、あれはダメ、ぜったいダメ。」

言下に却下されてしまった。

「だって、陛下の性的情動を刺激して差し上げたいんだろ。」

「最低っ。」

凄い目で睨まれてしまった。

「なんでだよ。」

「女は男の道具じゃないって言ってんのっ。」

「おまえらの言うことは良く判らん。」

いくら綺麗事並べたところで目的どころか手段だって同じじゃねえか。

「ま、永遠に判らないでしょうね。」

「でも、あのダンサーはほんとに抜群だぜ。」

「あなたっ。」

音階が一オクターブ上がってしまっている。

「あわわわ。」

「承知しないからっ。」

「悪かったっ、この通りだっ。」

もう、謝ってしまう外は無い。

「もうっ・・・、みんなに言い付けてあげるからねっ。」

この場合の「みんな」とは、当然ヤマトサロンの猛者(もさ)たちのことだ。

「ほんと悪かったっ、この通り反省するからさ。」

言い付けられたりしたら、いつもの総攻撃を喰らうに決まっている。

「まったくオトコってっ・・・・。」

「そうは言うけど、陛下だってオトコの一人だぜ。」

「あの方だけは別よ。」

「判った、判った。」

議論の余地は無いのである。

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  1. 2009/03/04(水) 09:22:18|
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